2014年10月6日月曜日

代ゼミ閉校

バブル全盛期には隆盛を極めた代々木ゼミナール(以後代ゼミ)が大量閉校になりました。私事ですが、学生時代にはお世話になったところで複雑な心境です。また、数年前には高校生部門のサテライト部門を導入直前までいったこともあります。

新聞記事の中で考察していた「人が授業することにこだわり、映像部門を手掛けることによってクオリティを維持できなくなった」という論調のものが気になりました。拡大するにあたって塾にとって最も肝要な「ヒト(先生)」の質が維持できなくなったということです。これは大手進学塾にも当てはまります。栄枯盛衰に至った塾は質(ヒト)に見合った教室数以上の多展開を急いだことにあります。

成功している東進ハイスクールは早々に人前式の講義ではなく、DVDによる映像授業に切り替えリスクを大幅に低下できるフランチャイズ(FC)方式にしています。FC方式にすると教室が赤字でも大元は利益が出ます。コンビニと同じですね。個別のフランチャイズ塾も初期投資で必要経費の10倍を搾取し訴訟沙汰が続くところもあります。

翻ってOneSelf。開講当初は多展開を考えていました。でも、そのためには質の高い先生が必要です。面接に来る人の9割はお断りしているのが現状で、元大手塾でアンケートナンバー1講師は何人も見ましたが、戦力になれる人はいませんでした。よく教室前で講師が生徒の送迎をしている姿を見かけますが、某所は交通法規を無視して子どもたちを横断させたり(かなり交通渋滞していました)何よりは通行人の通路を防ぎ狭い歩道で送迎の先生と生徒が談笑し、下から丸見えの共用スペースの階段で生徒と座り込んでいる先生が談笑していたり。子どもが子どもを教えられるのか本当に不安になります。近隣に住む親戚には良い塾を聞かれても「ない」という返事しかできません。

どんな塾にお願いしたいか?これは進路相談にも通じる部分ですが、自分の子どもに愛情を持って接してくれるのか、です。大手塾は学校以上に教育にかける時間がないとこが大半で雑務9割授業1割が基本です。教え方のうまい下手ということや、テクニックは情熱で追いつけます。ウチの面接の採用基準で「私が1時間で教えられることを3時間4時間かかるのは仕方ない。それを面倒だと思わず申し訳ないと思えるか」というのがあります。

代ゼミはヒトに頼るシステムであったのにキャパ以上のことをしようとして失敗したのでしょう。改めて「自分の器」を勘案した教室運営の大切さを痛感しました。