2016年4月20日水曜日

ジェネラリスト

ジェネラリスト=総合的な知識を持つこと

とあります。でも、私はより専門的で総合的な知識をつけていきたいです。もっともっと「子育てジェネラリスト」になりたいです。特に「広汎用性発達障がい」「睡眠障害」の二分野は永久に努力が必要だと思います。共通点は「わかりにくい」ことで、発達障がいの子育ては「普通」では通じないことが多く、頭を抱えることもしばしばあるでしょう。睡眠障害は本人が非常に苦労していても周囲からは「さぼり「怠慢」「健康管理不足」で白い目で見られがちです。子どもは心が迷子で真っ暗闇にいます。

近年、広汎用性発達障がいでは病名をつけない方向性です。みんな個性がある上、他覚症状(他人から見てわかる症状)がないので対処法がないのが現状です。子育てで親は一様に悩みます。「育て方が…」「今、どう接したらいいのか」「学校や園で特別扱いしてほしいのではなく、理解してほしい。でも、具体的に何をどう理解して欲しいのか説明が難しい」etc…塾は集団授業なのでLDとADHDは受け入れが難しく彼らとのつきあいは経験不足です。ちなみに最近病名から消えたアスペルガー症候群があります。空気が読めず人づきあいが上手ではないという特性があります。

子育てする立場で言えば病名など、どうでも良いのです。成長期や思春期を迎えて、どう接すれば良いのかでしょう。また、病名はつかないけれど明らかに個性が強すぎるときもあります。それが先天性なのか後天性なのかで対処は変わってきます。「心の成長」が様々な理由で鈍いわけです。私は「先生」なので、どうすれば最も刺激を与えれるのか個人個人を見て考えます。個性的な子が社会に出ていけるようにするには特別扱いされることではなく、自分について深く理解すること、他人と比較して何が違うのか知ることです。アスペの子は典型的ですが、極めて素直なので皮肉を感じ取ったり、裏読みして人を避ける機会が少ないです。つまり本当のことを理屈で全て解説すればよいだけです。

例えば雨が降りそうで濡れて風邪をひいたら嫌だから「傘持って行きや!!」と朝から大声で言うと、アスペの子は「親は自分が嫌いだから怒っているんだ。いつも大声出してそんなに自分が嫌いなのか。自分も親は大嫌いだ」となるのが私は一番悲しいです。親の愛情が真逆に伝わり、大人になると修正が効きにくいです。だから小中学生には「親は君をとても愛している」と伝え、大人は往々にして理由を省略することを説明します。すると親嫌いになることはありません。

親は思春期独特の親を毛嫌いしているだけだと思って気づかないケースではどこまで説明しようか悩みます。塾生なら本人には全て説明しています。他の子より数倍手間がかかり愛情を込めて「面倒な子」と本人に言っています。ひとの言動をいちいち全て解説するのですから、それはそれは面倒です。そんな子たちを年齢順に「長女・長男…四女」と名づけています。10ヵ年計画の子もいれば数年ぐらいの子もいます。非常に面白いのは反抗期があることです。他人に対して先生ではなく、親のように反抗することに、初めてのときはびっくりしました。時には非常に激しく、私はそれを「心の家出」と呼んでいます。家出が長い子もいますが、そのうち帰ってくるだろうと思い、信じて待つことにしています。

でも、本当に要注意なのは明らかに個性が強すぎるときではなく「ウチの子はちょっと変わってる」程度と親が認識し、子どもの心の成長が年齢に大きく追いついていないのに、塾を卒業するときです。親からの愛情を受けているのにそれを知らないまま大人になるのを黙って見過ごす…そんなとき自分の無能さを嘆きます。もっともっと勉強して真っ暗闇の子の光になりたいと強く思います。