2020年2月11日火曜日

入試前夜

 今日、私立入試前の最後の授業が終わりました。例年、この日はみんなとの思い出が走馬灯のように流れていきます。前日諸注意で伝えようと思いつつ恥ずかしくて伝えられなかったこと。第十九期生のみんなとの授業が一番楽しかったです。大好きな子たちです。過去最高の〜と形容されることの多い学年。実は途中入塾者の最も多い学年でもあります。

 増える度、雰囲気が良くなっていきました。中1の最初から預かりたかったと思う子も多いです。それも含めて縁ですね。感情移入しながら教えるスタンスは変わりませんが、少し肩の力を抜いても大丈夫な良い子ちやんたちでした。

 歴代最高のオタク集団でもありました。私はオタクを比較的肯定的に考えています。彼らは自分の世界を大切にする反面、人畜無害だからです。興味があることには探究心旺盛でもあります。他人に関心が薄いため批判的な言動も少ないです。私が最も苦手なタイプは会話の大半がネガティブであったり、批判的な思考の人たちです。中学生でありながら他人に迎合せずネガティブ思考の少ない彼らは学年以上に大人に感じています。

 感受性ってとても大切だと思うのです。私は中二病の時期が長かったです。足立との出会いで「人間とはこんなに考えて話すのか」と感銘を覚えたのをきっかけに自分の言動に責任を持つ意義を考えるようになりました。つまり、大人になってからです。彼らの中で感受性の話をできる子が多いのも楽しく感じる理由の一つです。

 ところで、デリケートな受験生は1日に複数回声を掛けるよう心掛けています。他学年にはそこまでしませんが受験生は特別です。ごきょうだいのいるご家庭だとご理解いただけると思います。愛情は平等でも受験生の子がいるとその子に意識がいってしまう心境ですね。特に受験前日は受験学年の子たちとの思い出にふける日と決めています。ふと思いましたが、パートナーへの思いと同じですね。男は恋愛において上書き保存。だから過去全員の受験生はそれぞれ別ホルダーに保存している特別な存在です。

 ところで、例年より穏やかな気持ちになっているのは今年の彼らへの信頼と安心ですね。合否の心配はせず、万全の体調で、ミスなく過ごせるのかが一番の心配事です。ワンセを卒業してくれたら、一生卒業生としていつでも歓迎します。いや、積極的に来たり人生の節目には色々教えてくださいね。

2020年2月8日土曜日

卒業生へ、贈る言葉⑤

 緑YR

 器用貧乏に終わりがちだった中学生時代。勉強面もしかりで「これぐらいでいいか」が無意識によぎり、こちらの考える壁を越えるのに苦労した。ようやく志望校が決まってからは安定した集中力を発揮している。

 また、素直だが思ったことをすぐ言動に出す素直すぎる反応は無用のトラブルを招く可能性もある。今のように出来ることを増やせるよう精進し、周囲を見るゆとりができれば成長速度が加速していく。

 鯰江KY

 入塾当初、線の細さを案じていたが杞憂に終わった。活動時間の長い部活動をやり遂げ、勉強との両立もできた。与えられた課題を着実にこなす能力は抜群にある。ただ、自分を過小評価していることもある。

 出来ることは人より多いのだから自信を持つ。日本では謙遜するのが文化だが過剰だと自分の可能性を狭めてしまう。本当の自信は経験でしか生まれない。だから、経験値を増やして自信を持って臨めるようになろう。

 鯰江NH

 平和主義で人を傷つけないが、発言や自己主張が少ない。あまりにも言動を控えると壁を作っているように見られてしまうこともある。物怖じしないマイペースも良いが、これも過ぎると相手に誤解を与える原因にもなる。

 自分のことをもう少し言えば見える景色が変わってくる。失敗しても許されるのは学生の特権だ。ごめんなさい、と言えば許される日本の風土を利用しよう。多くの失敗を経験しごめんなさいの数だけ成長できる。

 緑MC

 長い部活を終えてから勉強面では出来ることが非常に増えた。部活全盛期は時間を上手に使えない不器用さを嘆いたが今では思い出だ。複数のことを同時にすることが苦手なら、要領を覚えてブラッシュアップさせる。

 苦手分野を克服するのも大切だが、日進月歩でもミスの少ない集中力に磨きをかける。これだけは負けたくない何かを見つける。そしてプライドを持って出来る分野(仕事)を極める努力を継続させれば明るい日々になる。

 緑IY

 中学2年生に進学したてのとき、大怪我をした。長い入院生活中、数学を中心に頑張っていた。怪我の功名か時間は充分あったので、基礎を定着させることはできた。地道な努力をできるのは才能だ。

 人を傷つける言動をしない反面、自分の世界を大切にしすぎることが気になることもある。今、興味がないからしないのはもったいない。齢を重ねると出来ないことが増える。その前に未知を既知に多くの感受性を養って欲しい。

 茨田北IA

 何かを批判せず、周囲への気遣いが出来、明朗快活で優しい。ただ、優しさと弱さは表裏一体だ。勉強面の成長もさることながら、精神的な成長を実感する。出来ることが増えた。負けたくない気持ちを持つことも増えた。

 弱いことは悪いことではない。冷静に自分が出来ることを分析し、今後の課題にする。かつて自分が出来なかったことを上手に伝えられる能力もあるのだから、経験を重ねてそれを後輩に伝授していって欲しい。

 

 

 

 

 

2020年2月7日金曜日

最近の出来事

 近しくない人に「優しい」と言われることが度々あります。心の中で思うのは「優しいのではなく、興味がないから失敗しようとどうなろうとニコニコ話を聞いているだけなのに」です。責任があるから子どもたちには気になることは全て伝えます。結果、ストレスになってもです。子どもたちが将来困ったり、後ろ指さされるようなことになって欲しくないからです。言う代わりにしっかり責任を取る覚悟はあります。気遣いだけしておけば優しいと言うのはまだまだ本質が見えていないのだと思います。教育業だと自負してるのでサービス業のように「お子さま」扱いすることはありません。

 さて、最近授業ではアクティブラーニングやコーチングを意識しています。受験生には詳しい解説をせずに考えてもらうことを心掛けたり、説明自体を子どもたちにしてもらっています。他の人にわかるように説明するためには論理的な解説が必要です。私と新人や学生講師との大きな差は「今、話している言葉(説明)を誰が理解できて誰が理解できていないのかわかる」ことです。これだけは経験でしか出来ないので、絶対に負けない自信があります。常に全員を見ているか、気持ち良く自己満足な講演会風な授業をしているのかの違いです。熟練された職人芸はマニュアルやシステムに追いつかれることはありません。

 子どもたちに解説してもらうデメリットは時間がかかることです。大手塾ならそんな時間をかけた非効率的なことは無理でしょう。最短ルートで解説したら子どもたちに任せるよりずっと速く終われます。でも、うちは幸い(?)延長授業や補習に対してご理解いただいていると勝手に解釈しています。時間と引き換えに教えた子どもも教えられた子どもも普段の授業以上の集中力を発揮して、それぞれが恩恵を享受しています

 ところで、電子黒板を導入して2年が経過していますが、みんなの反応を見ながら試行錯誤しています。今までwindows一筋でapple製品はiphoneぐらいでしたが、食わず嫌いの典型だと実感しました。新しいものについていかなくてはいけません。脳の劣化を防ぐにも新しい刺激は常に必要ですね。もうすぐ、プログラミング教室と大型バスの免許を取得しようと思います。使っていなかった脳を使うためです。先生と呼ばれているのだから生涯教育で何かにチャレンジします。

 話が飛びました。アクティブラーニングは楽しいです。ヒントを与えみんなで考え合っている様子を目を細めて見守っています。中2では英語で実践中です。足立から解法を伝授された子が周囲の子に伝播していく様子もまた微笑ましい。でも、それをできるのは残念ながらごく一部だけ。基礎の定着や勉強と向き合うことが出来ていない人はそこからです。クラス全員でアクティブラーニングをするのは不可能です。

 色んな新しいことにチャレンジしていますが、中3を見ていると花は実りつつあるようです。社会では解説中心から各自による覚え込みの時間を夏から増やした結果、クラスの平均点が文理学科合格点相当まできました。国語は元々得点源で大きく助けてくれる教科なので、今からしっかりと追い込んでいけば何とかなるでしょう。模範解答がない子育てのように新たな勉強方法を恒久に探究します。
 
 
 

2020年2月6日木曜日

卒業生へ、贈る言葉④

 緑MM

 コツコツした努力を誰よりもできる。入塾前比200点以上アップし400点到達は並みの努力ではない。単純作業に強いのは今後に大きくプラスである。反面、応用力や発想力に課題がある。ただ、努力を継続すれば克服できるだろう。

 人間は誰でもミスをする。その後が肝要で、同じミスをしない人間は職場で非常に重宝され大切にされる。これからも確実性を磨くと共に、日進月歩できることを増やしていこう。そうすれば頼られる大人になる。

 緑IA

 部長を務めていたことが似つかわしい頼りがいがある。物怖じせず多種多様なことにチャレンジでき、結果を素直に受け止めることができるのが長所だ。目に見えることに対して思い遣りの言葉をかけられる。

 反面、興味のないことや社交辞令を感じ取ることを忖度しない。自分の言動について責任を取るという肝は据わっているが、他人に対して諦めるのが早い。周囲からどう思われてるのか考えてから諦めるようにしよう。

 緑HY

 出来ることは随分増えた。同時に覚えて欲しくない要領も覚えた。自分の限界を低めに設定し過ぎだ。それはやりたいことを先にして、面倒なことを後回しにすることに起因している。まずはそれを自覚すること。

 子どもは本能を優先させ、目の前の楽しさを先取り嫌なことを伸ばす傾向がある。そして失敗する。失敗を糧にして物事の優先順位をつけられるのが普通の大人だ。学生時代にたくさん失敗して将来に生かそう。

 鯰江OM

 卒業できるのか案じていた。新入生は一般的に様々なスピードが遅く自覚がないことが多く、その傾向があったからだ。頭の回転は目に見えないがワンセではしっかり脳を使うことを要求される。

 今までに求められたことがないことなので当初はストレスが大きかった。それでも志望校が出来たときには見違えるほどの結果を伴った努力を継続している。高校時代も同様ならば蛍雪の功は遂げられる。

2020年2月4日火曜日

吉野家にて

 先日、吉野家で牛丼を食べていたときの出来事です。隣に3歳ぐらいと年長さんぐらいの姉妹、そのご両親の4人家族がいました。ヤンチャ盛りの歳ですから落ち着きはありません。それでもお母さんは躾をしっかりしようと、全く気を抜かずピリピリしていました。

 私の卒業旅行や遠足の引率と一緒だと思いました。ほんの少しの乱れが気の緩みになり、トラブルやアクシデントを招くので全く気が抜けません。また、節度を守らせないと周りに迷惑をかけます。すると、楽しいイベントなのにピリピリしている自分が場の雰囲気を壊してしまいます。私はそうなるのが嫌で、できるだけ子どもたちと距離を取るようにしています。

 もうすぐ新年度が始まります。最初が肝心なので、いつもより厳しくなり注意することも増えるでしょう。件のお母さんはお父さんが子どもの相手をしていると表情が柔らかくなり、素敵な笑顔でした。子どもが自分の通知表のようなものだと感じているのかもしれません。もう少し肩の力を抜いたら、とも思いました。

 それは思い切りブーメランで私自身に返ってきます。ワンセは厳しいけれど成績はメチャ上がる塾。そう言われるために躍起になり過ぎているのではないかと考え直す機会になりました。客観的に見てワンセは面白いけれど怒られたらメチャ怖い塾、でしょう。世間で面白い塾、と最初に形容されるのが嫌で、体験に来たい子がいると聞けば必ず時間やルールを守らなければダメだと念を押して欲しいと伝えます。結果、怒られている場面が武勇伝のように言われているのも承知しています。

 入塾テストがないウチはその風評を意識的に作っていました。ただ、関西人なので笑いや楽しさを授業で望みます。それでも主導権はこちらにないといけません。新入生は面白いことがあると周りを見て話しかけようとしますが、横を向くことを許すとそこから学級崩壊につながるからです。そして、学校や今までの塾とは違うタイミングで注意されていました。今は新入生が横を向いて話しかけようとしたら、隣席の子どもたちがそれを制する土壌があります。そんな彼らを信じて少し力を抜いて接するのも良いかもしれないと思う吉野家での出来事でした。

2020年2月2日日曜日

卒業生へ、贈る言葉③

SS

 小学生の後半に入塾した当時は男の子独特の野性を発揮していた。やりたいことはする、それ以外は悪気なく後回し。受験生になる頃には興味の対象が勉強になった。そこからの伸びは顕著だ。

 比較的おおらかで攻撃的ではない。攻撃に対してもサラッとかわせる。そんな長所を伸ばし、老若男女問わず接して多種多様な意見を吸収し、自分の経験値にする。その中で取捨選択できる知識を深めれば人としての幅が拡がり続ける。

OA

 中1の夏前に入塾。究極の努力型でテストの点数は良かった。反面、一夜漬けだったので土台がなかった。だから授業についていくのが必死。最も多く涙を流した子だ。それでも全く諦めず多くのことを克服した。

 受験生になる頃には特進生の名に恥じない理解力まできた。中学生時代、最も誇れるのは結果ではなく誰よりも努力したことだ。大人になっても自慢できる(中)学生時代は勉強も部活も誰よりも頑張ったこと。努力出来ることは素晴らしい。

YY

 出来ていることとそうでないことの差が著しい。素直な反面、価値観が年齢以上に固まっている。今の知識・常識は今しか通じない。常に上書きする努力を継続させる。自分と他人の価値観は異なることのほうが多いことを理解する。

 その中で、自分に対して愛情を注いでくれる人には価値観の擦り合わせをすること。異文化を受け入れる器量を備えること。大切にしてくれる人には相応すること。自由な言動をして受け入れてくれる人は貴重な存在だ。

OD

 距離感や言動に悩まされた中学生時代。素直すぎる発言は思いもよらぬ感情を相手が抱く可能性がある。承認欲求を満たすためには、相手を認めリスペクトするところから始める。まずは相手の人となりをしっかり見る。

 相性の合わない人は必ずいる。サイレントスルー技術を身につけ、ネガティブ思考・言動に迎合しない。反面、背伸びせず等身大で接して居心地の良い人もいる。その人を大切にし本音で話し合える関係を継続させればいい。

 

最近の出来事

 転塾のご相談が多いのですが、ワンセは補習が多いです。時間割はあってないようなものになります、と伝えています。中学生のご家庭ならみなさま実感していることでしょう。さて、久しぶりの授業の出来事です。

 小3はMNが孤軍奮闘。負けず嫌いらしく、できなかった問題を地道に努力でカバーしています。また、小テストへの勉強もばっちりです。できることがドンドン増えています。小4はMYがほんのり計算ミスが減ったように感じます。褒めると途端に…ということもあるので油断は禁物です。算数ではMKの伸びが顕著。今後の伸びが楽しみです。入塾当初は色々心配したISも今は新入生や体験に来た子を率先して引っ張っています。小5は足立に檄を飛ばされていたNYが頑張っています。出来なかったことを出来るようにしてくる努力はピカイチ。少々意味合いは異なりますが「稼ぎに追いつく泥棒なし」ですね。小6はMHの数学的センスに光るものを感じます。中学生になったとき、しっかり鍛えていけば大学ではどんな分野を専攻しても大丈夫。しっかりと育てようと思います。算数ではSSに良い刺激を与えて欲しいところ。MNは少し喝を入れられてからとても良い子になっています。これからもそんな感じで勉強と対峙してくださいね。

 中1は特進と標準で完全に数学を分けています。残念ながら数学的センスを発揮して解いてくれる子はいません。それでも超努力型の緑HAに引っ張られる形で緑MYが頑張り、そこに緑MSがついてきている感じです。鯰江SNや緑SE、茨田HKはもう少しモチベーション上げれば更なる飛躍があるのにもったいない現状があります。

 中2も中1同様クラスを分けています。比較的新入生の緑SKがグングン伸びています。伸びしろがたくさんあるので、1年後が楽しみです。ここに緑YAが努力で色々なものをカバーしています。緑T・HAが明るい表情を見せる機会が増えました。席が一番後ろのときは曇りがちで楽しくなさそうだった表情がうそのようです。やはり前が定位置ですね。緑TH、KHは努力でできないことを一つずつ潰しています。そんな中2を足立は英語担当として歴代最高の平均点だといつも褒めています。真面目にできていますが、数学担当としては…

 中3は典型的な理系の集まり。国語では菫HAや緑IYがトップを取ったりでどんぐりの背比べ状態です。数学では緑SSが頭一つ抜き出ました。センスだけなら緑IAYYだったのが、完全に壁一つ突き抜けた感じです。歴代大手前合格平均点よりも今年の特進平均点の方が高く、数学だけなら全員北野・天王寺レベルにチャレンジできる位置です。中2とは逆で国語力はかなりやばく、猛烈な追い上げの最中です。