2022年10月19日水曜日

大阪府公立高校C問題

 今年の文理学科は、かなり想定外の結果になりました。合格最低点が過去最高になった高校が非常に多かったからです。中でも北野と高津の高得点に驚きです。ようやく今年度版の偏差値一覧が完成し、世間の認識と結果がかなりずれていることがわかりました。そんなC問題において興味深い話を2件聞きました。

 1件目は某大阪地方紙に広告料を払い、C問題についてうんちくを述べていた某大手塾の記事です。英語は難化し続け、英検2級のほうが楽だという意見でした。ちなみにワンセの今年度C問題受験生の英語平均点は72点で、ちょうど英検2級でもらえる点数と同じです。また、私の分析では英語の平均点は上がったように感じています。分析もせずに今までのイメージで語ったのでしょう。もし、分析していたのなら何を見ていたのか抱腹ものです。

 2件目は同業他社の嘆きでC問題に対応したことができないというものです。ちなみに個別塾でも集団塾でも聞きました。対応できないのではなく、する気がないから問題研究をしてこなかった結果です。対応するには膨大なトライアンドエラーの繰り返しが必要で、毎年ブラッシュアップし続ける必要があります。それを数年に1人の受験するかもしれない子のために時間を費やせない、というのが真実でしょう。

 C問題対策は面倒臭いのか、と聞かれたら「時間はかかるけれど一講師としては楽しい時間だ」と答えます。勉強に燃えている子たちに付き合う時間は趣味のようなものです。ようやく数学において、得意でない子でも文理学科合格者平均点を取らせられるカリキュラムの構築が出来つつあります。トライアンドエラーなので、常に情報の上書きを継続してどんな高校を志望校にしても対応できる状態を維持します。

 中間テストの総括をしようと思ったら、長文になったので今回はここで終わります。

 

2022年10月14日金曜日

理想の学校

 今年もいよいよ高校選びは佳境になっています。そんな私の思う理想の進学校をつれづれなるままに書きます。興国高校の勢いと、好文学園のシステム、大阪国際大和田(敢えて旧名)の担任力、常翔啓光の熱量がある高校です。逆説的に言うとお勧めできる進学校がありません。理由は授業が下手くそだからです。今年、秋の高校訪問の度に愚痴っているのが教授力。毎回、廊下を歩かせていただいておりますが、先生の話を真剣に聞いている生徒の割合は3割あれば高いほうです。先生は教えることの職人さんです。でも、時流からか授業を真剣に聞いて欲しいと思っている先生を感じる機会が年々減っています。正直、予備校なしで現役国公立大学に行けると思う学校はほぼ存在しません。今年、国公立大学の合格率が高くなった大阪国際大和田高校は予備校の通塾率が上がったことと正の相関関係があります。

 私が自称進学校に希望するレベルの高い要求は一点。授業を聞く雰囲気が出来ている教室作りです。本当は予備校なしで大学に合格させられない高校に目指して欲しいです。授業を聞かせる雰囲気作りは手間暇はかからず先生の熱量で決まります。

 ちなみに勉強が全てだとは全く思っていません。最も大切にしていることはいじめなどの有事があった際、真摯な対応をしてもらえることです。そして、できるだけ子どもたちに寄り添っていただき、何かありそうなときに一声かけて頂ける先生が多いところです。逆は隠匿体質な高校です。証拠がなければごまかせると思っている人が上に立っているところは嫌悪感がします。

2022年10月12日水曜日

秋の高校レポート⑤ ~上宮高校~

 プレップコースの指定校推薦の多さが非常に魅力的な高校です。元男子校ですが男女比は6:4でやや男子が多い程度です。ではレポート。校風3授業態度2教授力2.5お勧め度3.5。先週末までテスト期間で返却日だったクラスもあったので、正確な判断ではありません。ただ、指定校推薦の枠が、プレップコースの定員以上あるのは非常に安心材料です。

2022年10月11日火曜日

秋の高校レポート④ ~開明高校~

 久しぶりに開明高校へ訪問しました。では早速レポート。校風3.5、授業態度2、教授力3.5、お勧め度3。かなり校風がはっきりしていて、万人うけする学校ではありません。高校というより予備校に近い感じです。先生がチームではなく個人で動いており、職人さんです。授業の質やカリキュラムは悪くありません。でも、授業を聞いている生徒はほとんどおらず、受験生でも緊張感とは無縁でした。また、高校生の現役国公立大学進学率は約10%で色々考えさせられる数値でした。

2022年10月6日木曜日

最近の出来事

 中間テストの続報です。中1は緑MYSKが英語数学満点、緑ISSHMYが数学満点報告がありました。SKは学年トップの可能性もあるのではないでしょうか。ちなみに1学期中間テストから期末テストでは学校平均点が50点以上下がっている中、ワンセ生平均は約20点ダウンです。学校平均点との差は校内順位とほぼ比例します。学校平均点以上に下がっている子はほぼいないので、ほぼ全員が期末テストで順位を上げたということです。更に、1学期より今回成績を下げた子は若干名でした。つまり、中1は全体的に順調に成績を上げているということです。授業でも、終了後に理解できている子が理解の怪しい子に解説している姿は受験生のようです。勉強にプライドを持ちつつ楽しんでいる彼らがとても頼もしく、頬が緩みます。

 中2は緑OYから理科満点報告です。緑IHと共に自己ベスト更新に期待がかかっています。ちなみに緑THは漢字間違いで99点という泣くに泣けない結果でした。そして、中3は緑OYSS、KT、IMが満点。点数だけみると決して悪くないですが、ミスの多さから満足している子は少ないように感じる結果でした。ずっと嘆き続けてきた国語がようやく伸びてきました。去年は入試に間に合わないのではないかと思ったほど、絶望的に感じていましたが、1年以上前から対策してきた結果が出始めて少し嬉しいです。

2022年10月5日水曜日

中間テスト速報

 緑・茨田・旭東中学の一部が返却されています。半分程度しか返却されていないので、満点報告から。中3は数学満点が緑SS,KT,IMの3人。英語満点が緑MR、社会満点が緑KJです。数学社会は比較的易しかったので続報が楽しみです。中1は数学満点が緑ISSK、SHの3人。英語満点がMYでした。こちらは半分以上が未返却なので続報が楽しみです。中2旭東MTは全教科90点以上を達成。惜しいのは480点をギリギリで超えなかったことです。

2022年9月28日水曜日

最近の出来事

 高校訪問をして情報交換していると、私の労働環境は幸せなのだと実感させられます。22年目を迎えても不変なのはお預かりした全てのお子さまには保護者の方がおり、その期待に応えられるように精進することです。時流もあるので手法は変わっても全力で子どもたちを見る、という姿勢は変わりません。コロナ禍が始まった2年半前には対面授業の継続を掲げつつ、リモートについては色々試しました。子どもたちには「実験」と言っていました。世知辛い世の中で揚げ足をとることも多いですが、ワンセでは比較的受け入れられたと思っています。みんな未経験のことだらけで、完璧なリモートなりコロナ対策が出来るわけありません。だからこそ、考え得る全パターンを試しかったです。失敗経験は良い肥やしになります。誰かがやって、その情報を基に動いては遅いのです。自信があったのは失敗しても取り返すことです。勉強での遅れなど時間をかければ必ず解決できますし、当時は有り余る時間が存在していました。

そんな考えを受け入れてくれている環境が幸せです。中学生時代、学校の先生をするか塾をするかの二択で塾を選びました。好きなことを仕事にし、子どもたちや保護者の方と様々なことで一喜一憂できているのが幸せです。自分の良心に従って、責任を持った言動を心掛けていますが、選択を間違えたと感じることは日常茶飯事です。それでも、次に顔を合わす機会があれば改善できます。私の基準は悪意があるかないかで、悪意さえなければボタンの掛け違いは話し合いで解決できると思っています。

Z世代の令和の人間関係の模範解答は、上手に距離を取ることらしいです。傷つけず、深いことに首をつっこまず、トラブルに巻き込まれないようにする。そんな人が就活における上場企業のニーズでもあります。

充分理解できますが、それでは面白くない。腹の探り合いをして相手の考えを推し量ることは苦手ではありませんが、子どもたちにしたくありません。聞けば本音で話してくれる小中学生は、成長が実感できてとても楽しいです。システマチックにタイムパフォーマンスを考え、要領を最適化する企業とは真逆です。そんなアナログが通用する環境が幸せです。

進路相談の時期で、私は出来る限り多くの高校訪問をしています。そのときに「○○ならこの校風が合うなぁ」「△△はもっと引っ張ってくれる高校がいいぁ」と思いながら見ています。自分の目で見た情報を最優先に信用するのでネットの情報は調べても確認しないと安心して保護者の方に伝えられません。通学する可能性があり訪問できるならしっかりと自分の目で学校を確認し、その感想をお伝えしたい。そんな姿勢が否定されず、やっていけている環境が幸せだと実感する機会が多い、今日この頃です。