2021年2月27日土曜日

新年度

  コロナ禍で全てが手探りの一年が過ぎました。まずは感染拡大防止に努め、勉強を止めないと決めた一年間。オンラインは対面授業の代わりにはなりませんが、補助的なものならアリだと感じました。授業の全てをオンラインでするのは効果がかなり薄く、他塾の導入例でも自宅で真面目にやらない子が続出しているようです。ただ、親御様としては家で真面目に勉強しない状況を知ると、気持ちの矛先が難しいですよね。家でしないのは子どもが悪い、だから塾でして欲しい、でもコロナだし…。複雑です。ワンセでは対面を念頭に学校が臨時休校になった場合の流れを考えました。「1日6時間集中して勉強する」ことがコンセプトです。実現したら、勉強密度は今よりも上がるでしょう。

 そんなイレギュラーを考慮しつつ新年度の突入です。2年以上前から考えていた「自主性」の尊重ですが、少しずつ形になってきたように感じます。勉強するかしないかの自主性を与えるつもりはありません。最低限度の勉強は確保した上で、自分にとって必要なことを考えて勉強するというのが根幹です。今まではエンドレス中に全員共通の課題を与えていました。前提は学校・塾の提出物・課題を終了していること。テスト3週間前ぐらいからは意識し始め、2週間前には取り掛かり、1週間前に終わらせるのが普通です。現実は、見事に成績順に仕上がりが速いです。トップクラスの子は1週間前には自分の課題を見つけて頑張っています。

 反面、テスト直前まで提出物に追われ、塾でそれをやるだけで「勉強した気分」になっている子が気になります。例外なく400点を取れません。自宅で勉強してしている姿を見ることは皆無で、それを保護者の方が指摘すると「ワンセでいっぱい勉強したから!」これは点数が上がらない子の常套句です。ちなみに全体の15%前後で、400点取れない子とほぼ同数です。

 それでも「手を差し出し過ぎない」と決め、みんなですることを考えてもらうようにしています。その結果は来週からのテスト返却でわかりますが、ドキドキです。聞かれる前に課題を準備し、これをしておけば大丈夫!というスタイルでは高校で困ってしまう子が発生するのも事実です。新中1は基本の定着のため、自習をほとんどさせません。きちんと自習できるのは「勉強の引き出し」を持っている子だけです。まずは引き出しを増やすため、色々やってもらい、覚えてもらいます。

 ワンセは「全員志望校合格」「学年上位はワンセルフ生」「入試上位もワンセルフ生」「全生徒成績アップ」にとことんこだわりつつ時流を見てスタイルを少しずつ変化させていきます。「放置しない」は根幹ですので不変です。来年度もよろしくお願いします。

2021年2月22日月曜日

勉強

  間もなく学年末テストで、来週からは新学年の開始です。そんな中、初対面の子の理解度を見ると何が必要なのか直ぐにわかります。伸ばそうと思ったときにやらなければいけないことをやり遂げられる気持ちを持って来ていただけるのかどうか。

 例えば、新中3で英語の基礎が出来ていない子は中1内容から復習しての補習が発生します。それに並行して単語の暗記も必要です。数学は計算問題の正答率。文章題・図形の理解度。これらの教科的なことは少しこの業界にいれば普通出来ます。

 換言すると眼前にある出来ないことを指導するということですが、これをやっても出来ることはほとんど増えません。よく水漏れしてるバケツに例えています。上辺だけの部分を補修しても、大元を補修しないと直りません。同様に勉強も基本の基本から定着させないと、目に見えることだけしても意味ありません。

 それを見抜くのも手を差し伸べるのも本当に大変ですが、お子さまはもっと大変です。また、不出来の原因が集中力の散漫や早合点、過剰なマイペースだと修正するパワーは甚大です。ただ、私はそれをする気満々です。よく「ウチの子は大丈夫ですか」と聞かれますが、その度「ウチで大丈ですか」と聞いています。気持ち一つで上位層まで引き上げていく、という強い意志に変わりはありません。

2021年2月17日水曜日

私立高校受験者全員合格おめでとう&私立総括

 私立高校(私立中学受験者なし)は受験者全員合格の報告がでます。連絡がなかなか来なかった子がいたので、アップするタイミングを失っていました。

 関大北陽・国際大和田・常翔啓光・近畿大学附属・常翔・上宮・興国・信愛・大産大・好文学園・滝井全員合格おめでとう!!

 今年は入学金や所定品、授業料等の免除を受けられた子は44%でした。この数値は過去3年間で最低です。それでも半数弱という数値は誇れるものだと自負しています。

 ちなみに国公立大学現役合格に向けて最も鍛えてもらえると思うのが常翔啓光、ついで国際大和田と開明が並ぶ感じ。その次の層で高校で鍛えてもらうなら興国と好文学園だと思っています。それぞれ男子校・女子高で昔のイメージ問題もあり進学校とは言えません。それでも特進と名付けられたクラスの熱量はその他高校の比ではありません。親心として「我が子をしっかり見てもらえるか」「知名度」を優先するかで志望校選びで頭を抱えることもあります。

 私なら迷わず「我が子を見てもらえる学校」を選びたい。かつて、それが大和田でした。つまり過去形ですね。20年前から2年ほど前までの勢いはもうありません。それでも合格実績が良く見えてしまうのは、単に偏差値の高い生徒が入学したからに他なりません。合格者数は過去最高、内容は数年で最低と揶揄しています。そんな大和田を超える面倒見の良い学校が現れるのを待っていましたが、その可能性があるのは常翔啓光。更にその後に舵取りを間違えなければ興国・好文学園でしょう。大和田の実績や常翔啓光の勢いについて、今更書くまでもありません。

 塾で配布している偏差値一覧で興国・好文学園は下から数えたほうが早い位置にいます。それでも私が素晴らしいと思うのは入学時より偏差値が下がった卒業生が見当たらないことです。大和田は残念ながら半分以上が成績を落としています。良い状態でお預けしたのに申し訳なさと失望の葛藤です。

 経験上、進学校で一番上の学科に行けず、指定校推薦を受けられないなら学校のレベルを落として一番上の学科で入学したほうが将来の可能性が拡がります。大阪桐蔭や清風の下の学科に行くと将来性はかなり狭くなります。もちろん、浪人した場合はこの限りではありません。塾の合格実績にこだわるなら全員3ランク上の学校の受験を勧めるでしょう。きっと合格してきたと思います。ただ、子どもたちの将来性とご家庭の方針を鑑みると特待生を狙え、かつ面倒も見てもらえる私立をお勧めしたケースが目立ちます。

 結果、専願者が多いにも関わらず、受験校でトップ合格してきていると確信する子も多数います。近年では天王寺高校(公立)や関大北陽を筆頭に6校以上で入学式で学年代表の挨拶をしています。高校の先生方と教育相談しますが、高校の期待値よりも高い順位で合格してもらうことへのこだわりはあります。

 残す受験者もチャレンジャーが多数いますが、しっかり実力をつけて合格してきて欲しいです。

2021年2月9日火曜日

入試前夜

 延べ200校分の過去問を解いていざ出陣。本当に万全の体調でミスなく終わらせることを祈っています。前日諸注意で終了しましたが、例年、ネタとして「弁当箱の箸忘れ注意」と言って現実になったのが昨年です。当時者には笑えません…ちなみにワンセの子が教室に数人いて少しずつ分けてもらって友情を感じていたようです。

 ところで、毎年同じ嫌な話を聞きます。入試当日の休み時間に「簡単やった」「過去問よりできた」など大声で話させるよう指導する塾があり、それを子どもたちが実行しているという内容です。ここのブログは同業他社が読んでいるのは先刻承知で書きます。

 恥ずかしくないですか

 そんな姑息なことをしてもウチの子たちに勝てないという結果は変わりません。某塾のテキストを見せたら周りがビビるとか抱腹絶倒のギャグです。もし私がまだ大手塾に属していて、そんなことをしている馬鹿がいたら大目玉食らわせます。

 そんないちびったことをウチの子たちがしようとするなら、恥さらしだから絶対にやめて欲しいです。そんなことをしなくとも、ここまで過ごしてきた時間と内容を思い出せば、自信になります。姑息なことをする行為に対して冷静に対処してほしいです。一番を取る子はそんなことを絶対しませんし、人間性を疑います。合格は当然として、今年も大量の特待生を出したい、進学校のトップ合格をワンセっ子にしたいです。そのためにこれまで追い込んできたのです。

 純粋な受験生に愚行を指導する恥ずかしい大人に嫌悪感を覚え、感情のままに書いてしまいました。保護者の方が必死の思いでそんなことを口にするのは親心として理解できます。でも、同業者が、「先生」と呼ばれる人が指導するのは違うと思うのです。

 毎年寝れない受験前夜のつれづれに書いていますが、本当に万全の体調で実力を充分に発揮してきて欲しいです。それさえできれば今年も全員合格&大量の特待生は確信です。

Do your best!!

2021年2月8日月曜日

卒業生へ

私の出番としてはこのメンバーでする最後の授業が日曜日に終わりました。感傷に浸るのは早いですが、少し思い出を。

この学年は緑小学校の学級崩壊が大きな影響を及ぼしました。宿題に対する根本的な認識ができていないことが原因です。この学年が直接のきっかけで「宿題orさぼり月三回で退塾勧告」という新ルールができ、残念ながら数名が対象者となりました。

ワンセは成績下位層にとって勉強から逃さない点でもっとも手厚い塾だと思います。ただ、特進生に時間をかけるより数倍の労力が必要でありながら、全てが正しい方向に導けたわけではありません。退塾すると遺憾ながら関りは全くなくなってしまいます。不本意ながら「厳しい塾」と揶揄される機会が増えていきました。

受験生になってからは、コロナ禍で12月時点ですら緊張感は皆無でした。五ツ木の偏差値が実態よりも高かったり、順位が良かったりするのを見て当該学年のレベルの低さを心底憂いたものです。同時に浮つきまくっていた現状を冬の懇談会で嘆きました。子どもたちのプライベートなことを報告したのは極めて珍しいです。数名にはLINE自粛勧告もしました。教科担当としても国語数学社会で嘆くことが多かったです。

そんな彼らにようやく緊張感が見えたのが年が明けた1月以降です。惚れた腫れたの話も聞かなくなりました。一部の人はうまく隠していただけですが(笑)同時に過去問でも過去最高を塗り替える機会がしばしばあります。社会では緑YAがダントツ、数学では緑SK、THA、FHの成長が如実、国語では緑OMが良いセンスを発揮しています。同時に褒められる機会が少なかった男子も緑UTを筆頭に、荒波ながらも緑IHや緑TKが理系では成長を見せています。ようやく自分のための勉強を始めました。スタートは遅かったですが、高校生になってからの伸びしろはたくさん残しています。

前代未聞のコロナ禍での入試も明後日に控えています。本当にやっとですが、高校の先生方にも恥ずかしくない仕上がり具合で迎えられそうな状態になりました。今年はダメ元で上の学科から願書を出した子が多いですが、何とか全員第一希望の学科で合格してきて欲しいです。

追伸:休日の長時間勉強を最後まで集中力を切らせずに終えられるようになったのはとても嬉しい収穫です。

2021年2月7日日曜日

卒業生へ~贈る言葉⑦~

 緑KH

第一印象は超マイペースな子。何をするにも自分のペースを守っていた。それは「強い自分」を持っていないとできない。

学年不相応のルーティーンがあるのは裏打ちされた経験の積み重ねだろう。考えて行動する習慣が小学生にして備わっていたということだ。ただ、案じられたのはマイペースが過ぎて周囲を全く見なくなること。

しっかり周囲を見て、言動の影響を鑑みて実行することを心がければ更に自分磨きができ、様々な幅が拡がる。

P.S冷静沈着でとても頭の切れるお父様との懇談会は楽しかったです。

SY

塾では自分の意思をあまり口にすることはなかった。課題が溜まったときはこなせるのかどうか案じられた。

それでも無事ワンセで卒業できた意義はとても大きい。壁(努力)の向こう側をみることができた。多数の人が諦める状況下で得意分野ではないことを継続するにはかなり強い意志が必要で貫徹できた。

中学生時代、私はとても勉強を本気で頑張った。何年経っても何十年経っても言えることは非常に大きな糧だ。

TM

志望校を決めてからの自発的な努力が最も顕著な一人だ。将来の目標が決まり、自分の足で歩み始めたのが大きい。

改善点をコンプレックスに感じていた時期もあったが、修正すれば長所になることも見え始めたようだ。今、できないことは当たり前。人と比較して出来る・出来ない・速い・遅いでに一喜一憂しない。

気づいた改善点を一つずつ修正できれば、非常に魅力的な人になる。いくつになっても成長する人はとても素敵だ。

鯰江OM

ワンセを卒業し進学校に入学すると誰からも本気の管理はされない。何事においてもしない選択肢を選んだとき、もう差し出される手はない。

眼前にあることを先送りすると手遅れになることもある。元来持つ能力は決して低くなく、様々な分野で平均点以上あるのにもったいなく感じることが多かった。やらなければいかねいことは早めに手をつけるよう心掛けよう。

真面目ゆえ、学校では問題視されることなく良い子扱いされてきた。だからこそ、ずっと案じられる。

2021年2月6日土曜日

卒業生へ~贈る言葉⑥~

茨田MM

遠路遥々通塾してくれた中学生時代。卒業までに周囲との温度差を感じられるセンサーの精度を上げるのが目標の一つだった。

一般的に小中学生の男子は怖いもの知らずだ。なぜなら、失敗経験が少なく何とかなるさ、で今まで何とかなってきたからだ。そして、失敗する自分をイメージできない。結果、初めての挫折に弱くなりがちだ。

ただ、人間関係で多くの感情を抱く経験をしたのは大きな糧となる。大切なのは「なぜ」そうなったのかを意識して今後に生かす気持ちを持続させることだ。

IH

持て余しているパワーの行き先が見つからなかった中学生時代。やりたいことの「つまみ食い」が多かったように感じる。

しかし、学生時代はどんな失敗も許容される特権がある。それを最大限に生かすため多種多様な経験と失敗を繰り返せば良い。情報化社会だが、経験に勝る情報は存在しない。失敗経験こそ、人を大きく成長させる。

人よりも大きなエネルギーを持っているのだから、存分に惜しみなく使い切れば開拓者の道が開かれる。

HY

初めて見たとき、自信無さげで線が細く、卒業できるのか案じられた。中学生になってからは少しずつ勉強で良い思いができた。

それに伴い自信がついてきて将来のついてもポジティブ発言が増えた。それでも自己評価は低い。自分の弱さを知っているのは充分長所だ。知ったうえで他人の気遣いができるようになれば「良い大人」になる。

自分の殻に閉じこもらず、新たなチャレンジをしよう。好奇心を刺激される何かがあったら、悩まず行動しよう。勿論、はみ出さない範囲でね。

SK

トラブルを好まない平和主義な反面、だめだったときの自分を妄想し限界を低めに設定してきたのがもったいなく感じる。

チャレンジしなかったことは経験値の不足となる。逆も然り。志望校に無事進学できれば7年間時間のゆとりができる。その時間を有効的に過ごそう。目的意識を持って行動するなら内容は何でもいい。

多種多様な分野をつまみ食いし、その中で興味が出た分野を究めるように打ち込む。刺激された好奇心に素直な行動を取ろう。

鯰江MK

独立前の夢の一つ「卒業生がプロ野球選手orJリーガーになる」ことは未達成。具現化の期待がかかる。

スポーツで高校進学するのに最後までみんなと同じ勉強量をこなしたのは大きい。楽な道へ逃げずに努力できたのは大きな糧となる。どんな道でも上を目指すなら人と同じことをしていては無理だ。

ストイックに自分の限界にチャレンジし続ける。自分以外の人間にはこの壁は超えられないと思える努力を継続させよう。


NH

良くも悪くも実年齢以上に色々幼い。人は成長するにつれ野性を理性で抑えられるようになり、そのレベルが上がっていく。

自分の感情に素直なのは悪いことではない。ただ、周囲とのバランスは常に意識しなくてはいけない。言動がどのような影響を周囲に与えるのか考えるということだ。そのためには継続した努力が必要なこともある。

飽き性でもあるが「もうやめよう(終わろう)」と思ってからほんの少しだけでいいので頑張る習慣をつけられれば大きな力となる。

THI

地道努力が出来るのは大きな長所だ。ただ、誰もが「少しぐらいいいか」と手抜きをしたくなるタイミングがある。

それを最小限の波で抑えることができれば長所は更に伸ばせる。周囲よりもできたが、期待値はもっと大きく最上位のものを望んでしまう。それに応えられる能力が充分に備わっていると思うからだ。

人見知りゆえ、自分のことを積極的に話そうとはしないのは思春期の特徴の一つ。どんな言動でも受け止めてくれる人にはしっかり自分を出そう。

KY

笑顔と返事の良さで一生困らないと思わせる最大の長所を持っている。自分の言動から様々な副反応があることを知ったのも中学生時代の大きな収穫だ。

反面、今日のないことへの持続力が課題として残っている。要領良くかわす術に長けると、自分の限界前で止める習慣がついてしまう。それすら吸収される天真爛漫さがあるゆえ、案じられる。

笑顔も素敵だが、努力する姿勢に人は惹きつけられることも多い。自分磨きをして良い意味で「人たらし」になろう。