2022年10月28日金曜日

Z世代

 Z世代とその親世代では価値観が随分変わりました。Z世代、及び現在望まれる社会の人間関係は、協調性と距離感に凝縮されていると感じます。空気を読みお察し能力を要求する協調性と、自分が責任を取ったり何か言われるのを避けるため上手にフェードアウトする距離感です。

 近年の対人関係では 、コーチング理論を善悪の判断がつかない未就学児や小学生に説く自称教育関係者が多いです。理屈の通じない時期の幼い子どもにコーチング理論は意味がないと感じています。ちなみに、コーチング理論を説いた人が自分の子育てで成功している事例を聞いたことがありません。

 ところで、子育ては親だけがするものなのでしょうか。子どもはいつでも想定外の行動をし、時にはモラルマナーに反し、時には法を犯すこともあるでしょう。親が叱っても聞く耳を持たない時期もあります。そんなとき、本気で注意するのが先生であり近所の怖いおじさんでした。今の大阪では死語になりつつあります。叱ったら自分の身に何かあるかもしれない。余計な敵を作りたくない。そんな気持ちになることもあるのでしょう。子育てを始めた親は、初めてのことばかりで真面目な人ほど「ちゃんとしなくては」「親の責任」と自責の念が強くなる傾向があります。

 小学生になったら親以外の大人に注意される機会は大切だと考えています。コロナ禍までは宿題忘れや課題に対する取り組みを細かく管理していました。時流を考え、自分のことだけ(宿題忘れ・遅刻)のときは雷を落とす機会を激減させています。ただ、モラルマナーを欠くケースや、人の誠意を裏切るような言動については注意しています。親が我が子を叱るような場面が塾内であれば、やはり注意されるでしょう。それでも宿題忘れや遅刻は授業に真摯に臨んでいる大人(ワンセの先生)にとっては失礼にあたり、人としての気持ちを裏切ることだとは伝えています。授業に対して不真面目な態度で臨む子に何も感じない先生は、授業に対するプライドが私とは異なるのだと思います。

 Z世代は極めて近しい人とのみ深い人間関係を構築し、そうでない人とは距離を保つ傾向があります。本音で話す場面が非常に減っているということです。私は、子どもたちと本気で本音で接することができる小中学生の現場が好きです。ワンセっ子たちへは「親視線」から「おじいちゃん視線」の間ぐらいになりつつあり、以前ほどガミガミいう機会は減りました。それでも全力で向き合っています。私の考えが古いことは承知しています。時流に合わせた指導をする必要があることも然り。最も成績を上げる塾であり続けるので、してはいけないことをしたときには注意できる大人でいたいと思っています。