2025年11月11日火曜日

今は昔⑤

 20代前半で某大手塾で教室責任者になった頃、宿題をほぼ毎週忘れてくる中学生の男の子がいました。体罰こそないものの、叱責する時代。別教室に呼んで厳しく注意していました。今では完全にご法度レベルです。それでも塾は辞めたくないという彼。どうして辞めたくないのか聞きました。すると「先生が優しいから」と真顔で言いました。自分で言うのもなんですが、当時は本当に怖い先生だったと思います。更に真意を尋ねると「周りは自分のことを誰も構ってくれない。親も機嫌によって怒るか放置かのどちらか。先生だけが本気で自分と向き合ってくれる」とのことでした。色々家庭環境を考えさせられました。

 ちなみに本件とは関係ないですが、長年「他人からの愛情は有限(限度がある)、親からの愛は無償」と思っていましたが、たとえ親でも長年裏切られ続けると本気で子どものことがどうでもよくなることがあると知りました。やはり自分の常識は常にアップデートしていかなくてはいけないと戒めになっています。

2025年11月9日日曜日

11/9の出来事~高校選び~

 今日は運命の五ツ木の日。また、菫・茨田・茨田北中のテスト対策期間中。ただ、部活があるので開始時刻を昼からにして少しゆとりのある日でした。私の授業がなかったので、関大北陽の過去問解説のための予習。いつも国語を後回しするので(IPadでは非常に解き辛い)今年は最初に手をつけました。相変わらず易しい。解説が難しいぐらいに易しいです。よくある記号問題も悩む選択肢がなく解けます。模範解答を見て丸付け兼確認をしていると二問連続で記号問題が不正解。かなり焦りました。よく見ると設問がずれていて無事正答していました。数学は楽しく解けました。

ー閑話休題ー

 SNS上でしばしば受験についての話題を見ていると自分の価値観との差がよくわかります。ワンセでは全員志望校が出揃ったぐらいです。公立受験者も万一に備えて併願私立を第一希望と同じぐらいの感覚で選んでいます。また、私立専願でも11月の実力五ツ木が届かなかったときの次の候補を考えています。それが私にとっての「普通」でした。

 でも世間一般では、今から考える、とか今月の学校の懇談で違うことを言われて見つめ直しだと言っています。また、中学の懇談は無理をさせないが塾はチャレンジを認めてくれる、という意見が散見しています。そんな意見を見て「まともな塾に行っていないんだな」と思います。

 私の高校選びの大原則は自分の子どもだったら行かせたいかどうか、です。男女・公立・私立・学力等々は考慮せず、行かせたいか行かせたくないかの二択からです。自分の子を行かせたくない高校を勧めることはありません。また、第二希望の学校を今考えていないことにも驚きです。ダメになったとき考えて、それまでは本命合格に向けて頑張る、というものです。大半の子はそんなストイックに勉強出来ません。そして、万一のとき親子とも冷静に慣れずにパニックに陥り、大切な高校選びを熟考できないのです。

 また、入試のシステムについてあまりにも知らない人が多いのだとビックリしています。五ツ木・実力・期末がある中で、優先順位は実力=五ツ木>>>>期末です。期末に向けて頑張らせる、みたいな意見を見ると心が痛くなります。本日終わった五ツ木のテストの挽回はできないこともあります。ワンセの子にはずっとずっと言い続けてきました。1学期9月の実力・五ツ木は「次頑張れば」と言えました。その代わり「11月の五ツ木・実力で結果が出せなかったら志望校変更について向き合わなければいけない」と。

 高校説明会も中1からずっと強制参加にして、進路について考える機会を他の子の数倍設けています。志望で悩むことがあれば個人的に高校へ一緒に行き色々な話を聞いてもらっています。公立はともかく、私立は決定しなくてはいけない時期になってから考え始めたり、まだ準備すらしていないことを聞くと(見る)と胸が締め付けられます。

 独立して気づいた自分の器。小さい器なので直接自分と関わる人を大切にすると決めました。それでも、高校選びで悩んでいる人には相談に乗りたいと思ってします自分がいます。親切の押し売りにならないよう気をつけなくてはいけません。

2025年11月5日水曜日

最近の出来事

  今年の受験生の成績は過去最高レベルで良いです。大きな要因は成績下位者がいないことです。そんな受験生にとって最も重要な五ツ木・実力テストを控えています。先週末からの3連休。塾は土曜日に稼働しました。朝から開始。例年通り解説が終わると演習ノートタイム。もちろん自宅学習OKです。 彼らの演習ノートのクオリティは過去最高。だからこそ数学の偏差値が全生徒平均で65を超えているのです。この成果は地道な努力の賜物。

 …ただ、言われたことをするのは全く問題なく偉いのですが、課題はその次。大学附属高校以外に進学希望者はやはり国公立・関関同立を視野に入れています。今の大学1回生は大手前2人中2人が国公立大学へ、2回生も国公立大3名、関関同立20名以上、3回生も国立4名、関関同立20名以上現役で合格しています。もちろん、高校生部門をほぼしていないワンセの手柄ではなく卒業生たちの頑張り。彼らの高校時代の成績は知っていますが、順調に勉強できていた子が大半です。

 今年の高3生は成績上位者ほど伸び悩みを感じます。問題ないのは関大北陽と近高のスーパー特進以外と大阪国際の一人のみ。高2も現時点では微妙です。 何が違うのか考えて仮の結論が出ました。今の高校3年生が中1のときコロナ元年生。リモートや感染防止に務めて、授業する事で精一杯。いや、塾の本分は成績アップなのでそこはクリアしています。でも、ワンセならではの、国語や社会で世相を絡めた話や訓話が減少しました。そんなコロナ世代(高3以下)に感じるのはgive&takeの概念のなさや恋愛においても自己満足が優先されること、他者への配慮に比べて、自分は何も返していなくても与えられて当然という思考です。

 これって「寄り添う」という気持ち悪い(失礼)言葉が流行してからです。寄り添う=ご機嫌伺い=言いなり、のようになっているように感じます。そして常に寄り添われているのは子ども。親からにしろ大人からにしろ、してもらうのは当たり前、でも他者への寄り添いを真似することは少ない。様々な攻撃されることから「寄り添って」守った結果、免疫なく何かあると逃げ癖がつき、多様性として認められる時代です。

 横道にそれました。翻って受験生。自分への甘さが課題です。何か目標ができたとき、努力を継続できる土台を小中学生時代に築かないといけません。努力して、負荷をかけて、ストレスの向こう側を見えた人は強いです。そんな話を最近全然していなかったことが高校生になってからの伸び悩みにつながっているのかと反省し、現役の中学生にはしっかり伝えていこうと思った今日この頃です。

 ちなみに土曜日の夜から月曜日(祝日)まで受験生が勉強しているのか悶々としていましたが、思っていた以上にはしていました。ただ、自己申告によると一人を除き自分に甘くなったと言っており、少し安心しました(笑)

                                                                                                                                                                                                                                        

2025年11月4日火曜日

今は昔~番外編~

 社会人1年目。色々未熟な私はこの職場で多くの大切なことを学びました。今よりもっと肩肘張って、近づくすべての人に対して攻撃的で排他的な人間でした。若いからといってなめられたくない。敵か味方か、白か黒かはっきりしろ、という感じで尖りまくっていました。

 そんな一年目の上司には大変お世話になりました。成長は自分でするものという考えで、周囲への感謝の気持ちとは無縁な一年目。そんな超世間知らずな私に温かく厳しく接してくれた直属の上司と管轄部署の長である事業部長。至らぬ点をしっかり指摘していただき羅針盤となりました。

 この頃には完全に塾での独立を考えており、その時期は「自分についてきてくれる人ができたとき」と決めていました。若輩者で噛みつきまくっていた私が人の上に立ち、引っ張っていく姿など全く想像できず。超世間知らずだった私に、社会という場所をご教授いただいた人と出会えたのは暁光だったのでしょう。周囲の協力のおかげで今の自分があります。そのことへ感謝する、人として当たり前のことができるようになったのはこの人たちとの出会いがあったからこそです。

2025年10月30日木曜日

今は昔④

 大手進学塾時代の講習会で臨時担当した中2の子。定期テストで500点連発していた天才。理由はわかりませんが、常に大人を見下しているような態度でした。勉強面はもちろん言うことなし。でも、どこか何か違和感が拭えまず、特に姿勢について注意していました。

 ちょうど時代がオウム真理教による地下鉄サリン事件があった頃です。サリンを精製していたのは非常に優秀な国立大出身者だと知りました。多くの高学歴者が在籍し、どうして優れた人が道を外したのか不思議でした。

 その中2の子を見て、大人になって優秀な学者になり「ここ(怪しい宗教団体)で初めて承認欲求を満たされて、必要とされている」とか洗脳されないか案じられました。オチはありません。

2025年10月28日火曜日

最近の出来事

 受験生はようやく志望校も決まり始め、まずは11月実力・五ツ木に向けて全力で駆け抜けています。夏まではフワフワしていた子が多かったのですが、ここに来て集中力を発揮し、伸びを実感中です。中1のときから国語が課題で、受験を見据えて8月ら入試問題に取り組んでいました。2年以上入試対策を優先し、ようやく五ツ木や入試の過去問でも悪くない成績が見え始めてきました。緑INの記述に光るものを感じます。入試までは残り期間が短いので間に合うか微妙ですが、大学入試は間に合いそうです。「読解のしかた」を伝えていきます。前回のブログで書いた通り、数学は本当に楽しみです。理系センスはなくても後付けできるので、しっかり磨いていきます。

 中2は中だるみの終わりが見え始めてきました。基本的な暗記や宿題を丁寧にするという当たり前の習慣がようやく定着できるのかというゴールが見え始めてきました。二学期中間テストは課題が気になることが多く、個人面談も多くの時間を割きました。井川や佐々木にもモチベーションが下がっている中で淡々と授業するぐらいなら、授業開始10分程度使ってでも、しっかりと自分の言葉で勉強の意義や経験について話して欲しいと伝えていました。テスト前でもないこの時期に小テストに対する意識は少し上がってきたように感じます。

 中1は学校平均点との差が2学期中間テストがベストの子がほとんどでした。つまり中学校順位が上がっているということです。かつ、モチベーションも悪くなく明るく楽しい授業が続いています。演習ノートの質も高いので、受験生になったときの伸びが楽しみです。ただ、数学的センスは期待できないので、中3同様しっかり経験を積んで新入試になる元年度に対応できるように仕上げていきます。

五ツ木模試

 第5回目のデータを見ました。全生徒平均偏差値過去最高64、教科別全生徒平均偏差値最低60、全生徒中、教科別偏差値最低50、最高75。実感はあまりないもののできることが確実に増えている証拠ですね。ワンセでは英数理が良くて国社がついてこない結果が多いのですが、記憶の中では初めて国語全生徒平均偏差値60で理科とほぼ同じでした。ちなみに数学は66を超えており、英語が65程度、その他は60~62程度です。

 今年の受験生に理系センスの秀でた子はいません。公立C問題で満点は取れないでしょう。それでも確実にできることを増やして努力でここまで到達しているのは素晴らしいです。この結果は演習ノートの精度の高さに集約されており、自分で考えてずっと取り組んでいます。高校生になっても自学自習できる土台を完全に築きました。

 そんな内容のブログを打ってアップしようとしたところ、卒業生が不意に寄ってくれました。すっかり垢ぬけした大学生になって、ワンセの卒業生の現状も色々教えてくれました。笑顔で話す時間はとても速く、すっかり午前様でした( 昨夜のことです)。