2018年11月30日金曜日

今後の方針

 卒業生が毎週のように誰かれとなく訪問してくれるのがとても嬉しいです。スピーチや乾杯の音頭を頼まれたり、ビデオレターやお祝い画像の協力をお願いされると忙中閑あり、頬が緩みます。卒業生と話しているとワンセあるあるなのが、誰がどのように怒られていたのかという四方山話で盛り上がること。カマイタチや壁ネタですね。異口同音に「ちゃんとしいない子が怒られていた」という締めになります。真面目にやろうとしない子に対して厳しい、換言するとトコトン面倒見の良い塾だということです。

 そんな手前味噌な話題から入りましたが、ワンセは今、転換期に入っています。厳しい塾は流行ではない、今どき熱い塾など流行らない、自主性を尊重した教育etc…今までの方針と世間のズレが発生する中で私には数年前より暖めていた次世代OneSelfのモデルケースがあります。それは「脱・怖い塾」「厳しさは残し自主性を重んじる」というスタイルです。

 ただ、想定以上に速いペースでそれが具現化しつつあります。今年度より始めた「宿題忘れ・サボリが月3回になったら退塾勧告」という方針が第1歩でした。叱ることには莫大なパワーが要ります。かつて、同じ教室内での授業が止まることへの罪悪感、何も問題ない子が萎縮するなどの問題がありつつも私は眼前の問題がある子への指導をしていました。さまざまな葛藤の中で、真面目にしている子が割を食うのは良くないと思う機会が増えました。何より、ルールを守れない子に厳しく指導を続けた結果、退塾するケースのほうが多かったです。お互の疲弊、周りに与える影響などを勘案しての方針でした。それを昨年の冬の懇談会でお伝えした結果、不勉強者の大半は退塾しました。

 果たして、今年度の退塾率は最低の7%(大手塾平均30%前後)で、雰囲気も落ち着いており叱られている声が聞こえる機会は激減しています。そこで次のステップを考えました。それは自習時間の拡大です。「自主性を尊重しつつ、勉強させる、ただ勉強しないという選択肢は与えない」です。例えば、テスト対策は授業(解説)時間は減らし、課題を与えて管理しています。中学校の提出物の確認もしています。受験生では問題演習と解説を例年より減らし、間違い直しに使う時間を増やしています。

 新指導方針は自分で自分の課題を見つけられる子にすることです。今、文科省が盛んにアピールしている「探求」です。ただ、中学生までは基礎の定着時期だと思っています。この時期に勉強に対して完全な自主性を尊重すると、勉強しない選択肢を選ぶほうが多いでしょう。だから「勉強しない」という選択肢は与えません。勉強時間を確保し、その枠の中で自分のすべきことを考えてするのです。もちろん、中1ぐらいでは何も考えられません。多くの勉強の仕方を伝えて、引き出しを増やします。やり方を知らない子に「自主性」といったところで何もせずに終わってしまうからです。昨年よりも授業時間数を減らした受験生ですが(週25時間前後)授業後に間違い直しをしている時間は過去最長で、塾滞在時間は例年と変わらず週30~40時間前後です。また、7月から11月の五ツ木模試結果も全体で上がっており、効果は感じています。

 過保護は子どもの芽を潰してしまいますので、自主性と管理のバランスが難しいです。卒業生の意見によると、自習の時間が長くて有効活用できた人が多いようです。塾全体として勉強(自習)できる雰囲気にあることが大きいのでしょう。私語厳禁は徹底していますが、難点は12時間預かると意識が飛び始める子が出ることです。居眠りは他人の邪魔にはならないので優しく(?)起こしてあげます。もちろん、私の解説中に眠そうな顔をしたら許しませんが。
 
 来年度は、テスト対策における全員一斉の授業形式を控え、管理しつつ勉強させてわからない問題は質問することを徹底していくという方針です。各種確認テストはこまめに実施し、普段より勉強する習慣を身につけさせないといけないです。叱る厳しさから脱却し、管理の厳しさに移行していくのが時流に乗った方針ではないかと思います。