大阪府教育庁は拙速な入試選抜方法だという多数の批判を受け、実施時期を最短で令和10年(現小6)からとすることに決まりました。一度の試験で第二希望まで出願できることや、アドミッションポリシー選抜入試(仮称)を新設するという強い意向は変更なし。ただ、私立高校や大阪府教育委員会との意思統一は全くできておらず、今後の迷走が予想されます。ちなみに、現中1までは現行の入試制度で公立高校はABC問題を維持する可能性が高くなったので、その点では一安心です。現在小学6年生以下のお子さまがいらっしゃるご家庭は今後の動向に注視してください。
そんな状況で中3は進路相談をしています。ワンセはかなり早い段階から進路について考える機会を用意し、高校合格がゴールにならないよう話をしています。今年の卒業生に、昨年最も注意したのが志望校について考えていなかったことです。毎年毎年耳にタコができるほど言っていますし、昨年の受験生が志望校を考えていないという発言をしたときにどのような対応をしたのか現中1、2は聞いたいたはずです。そんな中、水曜日から個人面談を実施。今回の最大の目的は11月の実力・五ツ木の結果が出て、志望校に到達できていない場合、第二希望の学校を決めることです。もちろん、少し偏差値を下げて考えることになります。9月になってからずっと、考えてきて欲しい旨も何度も繰り返し説明してきました。昨日は6人しか話せまんでしたが、3名が「第2希望は考えていない」という発言。3名中2名は偏差値的にかなり届かない学校を希望し、1人はぎりぎり合格できるかどうかのところです。ちなみに3名とも志望校合格を目指すには全く勉強量・質・気持ちが届いていません。
私は、私立の先生方にワンセで真面目に勉強してこなかった子のことを「この子はワンセとして恥ずかしくない子です」と絶対に言いません。それが高校側への礼儀であり、信頼関係だと考えているからです。名前を出して相談しなかった子たちは、やはり高校でご面倒をかけていることが大半です。
ワンセの最大の目標は志望校に絶対全員合格。偏差値が足りないから志望校を下げるという考えはありません。偏差値10上の学校を志望校として口に出したなら、それに見合う課題を伝え、努力してもらいます。努力出来ないなら引導を渡しますが、足りないだけで諦めるのはナンセンスです。ただ、前述の3人は自分が至っていないという現実を受け止めることなく、漠然と「合格できるだろう」と考えていたようです。高校訪問をするたびに「この校風に合いそうな子は誰だろう」と考えています。大学や将来の夢についてヒアリングし、実現できる可能性が高くなる高校を勧めたいと本気で考えています。アドバイザーであり、進路の押しつけをしてはいけないとも思っています。でも、その理論が通用しなくなったことに対して、気持ちの整理をしなくてはいけません。よく「愛情=補習」と言っていますが、重い思いを冷ます必要があるのでしょう。自分の進路なのに周りの大人(親・私)だけが焦っているのは色々感じることがあります。