2022年4月27日水曜日

最近感じること

 子曰く「学びて時にこれを習う、また、よろこばしからずや」孔子は「(新しい)学問を習って常に復習(して習得)する。なんと嬉しいことではないか」とおっしゃった。

最近の日本は平和で恵まれた環境で育つ子が増えました。プレゼントで欲しいものを尋ねても「特にない」と答える子が多いです。勉強も同様で学習できる環境を与えてくれる、換言すると周りの大人が子どもに合わせてくれる機会が増えている気がします。

そこにコロナ問題が発生しました。コロナの影響は様々ですが、教育現場の感想として授業についていけない子が増えているように感じます。逆に出来る子も増えたように感じます。全国学テの平均で大きな変化が見られないのはそのためでしょう。

そんな中、ワンセの中学生の課題が2つあります。1つ目は処理速度の物足りなさです。問題を読んでいて、今どこを読んでいるのか分からない子が一定数発生しています。ボーっとして聞いていなかったのも理由の一つですが、どこをしているのか探していたり、何かをメモしようとして聞き逃したり、考えられなかったりしているようです。一般的な会話よりもゆっくり話すように心掛けていても遅れるようです。将来、社会に出たときに指示を一度で理解できなくなる可能性が高くなるのではないかと不安になります。勉強を理解できないのは困りますが、単純な質問(今、何を聞かれたのか、など)すら答えられないケースがチラホラあります。また、聞き手を無視して自分の思ったことばかり話そうとする子も然り。幼い頃から大人が思いを汲み取りすぎた結果でしょう。

2つ目は復習不足による未習得です。その場では理解できてもわずかな(数分レベル)復習を欠かすことにより前回の内容を忘れているので、使いこなすことができません。小中学生の算数・数学で厳しく言われるのは「公式を忘れるな」です。三角形の面積の求め方のような単純な公式を教え、次回からは使うから必ず覚えておくようにと耳にタコができるほど伝えても覚えてこない、目立つところに公式を書くように伝えても二度と使わないルーズリーフの片隅に書く。当たり前のことが出来ない子が本当に多いです。こちらは何度も何度もその場で注意しています。そんなとき、この子が社会に出たらどうなるのか本気で案じられます。正社員になれない人がこれからますます増える世の中で心配しかありません。

AIや外国人労働者の流入が進むことも大きな要因ですが、何より少子高齢社会で必要以上に守られ過ぎている「お子さま主義」に危惧しています。成長には何らかの努力が必要です。その過程でストレスを感じるのは必然であり、避けるのはではなく乗り越えるものだと思っています。ネガティブイメージしかないストレスですが、障害物を避けるのが大人の役目ではなく、避け方や乗り越え方を教えるのが大人の務めだと思うのです。