2023年9月5日火曜日

寄り添う・主体性

 最近の教育は「寄り添う」「主体的に」などの言葉が大好きです。やはり私は、そんな言葉を軽々しく用いる人を信用できません。「寄り添う」と「主体的に」を分けて考えてみます。

 寄り添うことは非常に難しいです。褒めることより叱ることより難しいです。まずは寄り添う相手の性格を熟知しなくては寄り添うときの「距離感」がわかりません。相手を知らずして寄り添うのはただの放置であり、無責任です。失敗したときに優しい言葉をかけ続けることが正しい日本の新しい文化だとするならば、世界によりいっそう置いていかれること間違いなしです。日本は自由で無責任である代表的な国になるでしょう。当事者意識はなく、常に第三者の責任にして愚痴をこぼすようになるのかもしれません。

 30代~50代の人は「寄り添う」の意味の解釈として、距離を取って頭ごなしに言わず、相手を尊重して「お・ひ・た・し」に気をつけることだと認識している人が多いです。「おこらない」「ひていしない」「たすける」「しじする」これらの総称です。飲食店で高校生への指導を何度か見たことがあります。年配のパートの方がこれ以上ないほどに優しく猫なで声でミスしても諭していました。これでどうやって成長するのか本当に不思議です。責任感が芽生えることもないでしょう。その後の店員の態度は「ここにいるのだからお金がもらえる」という感覚でしかありません。経営者視線ですと、いるだけでマイナスの存在なのに恥ずかしくないのかと感じます。

 ましてや子育てで寄り添うとは笑止千万です。熱湯を触ろうとしても、窓から乗り出そうとしても同じトーンで「だめよ」だけで言うことを聞ける、聖人君子な子どもしかいない前提で話す自称専門家。コーチング理論を乳幼児にも取り入れるとか本当に無知は恥です。

「主体的」とは自分で課題を考えて行動することです。そもそも自分で考えるためには知識が必要です。勉強で例えるなら三角形の面積を求める公式を覚えていないのに、発展問題である複雑な図形の面積など求められるわけありません。また、新入社員で会社のことが何も理解できていないのに主体的に動けないでしょう。

 翻ってワンセ。それでも主体性を大事にしたいと試行錯誤している真っ最中です。全員共通の宿題削減やペナルティ制度廃止(中2以上)でも塾全体の成績は上昇気味です。オン・オフのけじめのためにテスト対策は2週間前からテスト最終日の前日までに短縮しました。endlessは朝10時から夜10時までを復活。授業とテスト対策も出来る限りわかりやすく分けています。そして、中2ではチームRJ&チームAの開始です。英語数学でテスト日を設けて、問題演習をしていきます。英語は中1からの復習。数学は入試必須問題の確認と定着、そして難問を解けるような基礎固めが目的です。まずは主体的に取り組むことを信じて1週間様子を見ます。昨年はendlessの自由参加と日曜日廃止の方向で調整しましたが、結局自宅学習はあまりしなかったので、今のシステムになった経緯があります。

 私の考えるワンセの主体性とは、自分で勉強する内容を考えて実行し、取捨選択しながら出来ること・やり方の引き出しを増やすことです。そのためには基本が出来ていないと実現は厳しい。長い構想でようやく実現したチームRJ&Aなので有意義にできるようブラッシュアップしていきます。自主性は尊重しますが、勉強しないという選択肢を与えるつもりはありません。

追伸:中3国語で五ツ木過去問において緑MRが初トップ。これを継続させていきましょう。