2023年2月9日木曜日

受験生との出来事

 私立入試前の最後の授業が終わりました。授業と言っても最後は各種確認と前日諸注意のみです。彼らには数多くの思い出があります。それらの一部を伝えようと思ってもみんなの前では言えない個人情報的なことが多く、無難に話さざるを得ませんでした。

 コロナ世代で多くの時間があったので、3年間を通じて勉強時間がかなり多く確保でき、過去問演習も余裕を持って取り組めました。数学社会の平均点は過去トップクラス。五ツ木偏差値も全員平均で61を超えてくるという快挙。どんな進学塾にも負けない数値です。ちなみに大阪進研は問題が易しく五ツ木よりもかなり偏差値が甘くでるので、文理学科や難関私立受験の子への精度は低いです。また、塾内でテストをすることが多く、何でもできるので信憑性から私立高校では参考にしない学校が多いです。

 話が逸れました。彼らは厳しく注意し続けた最後の世代になるでしょう。宿題やルール遵守に耳にタコができるぐらい言いました。中学校では自由な子が多いらしいですが、ワンセでは無縁。ただ、宿題を出来ず卒業できなくなった子の数は多かったです。学校の先生に聞くと、ワンセでは当たり前の「授業を集中して聞く」「宿題は期限までにきちんと仕上げる」「ルールを守る」は望めないと言われます。ちなみに小・中・高校の全ての先生に言われました。

 毎年、企業の人とも会って最新の情報を聞くようにしていますが、ワンセで望むことができている人がいわゆる大企業に勤められる可能性が高くなり、そうでないと社員になれる可能性が低くなるんだと思いました。

 今年の卒業生たちが社会に出る頃、小中学生で身につけた「ワンセの望む普通」が役に立つと自信を持って言えます。継続する力、集中力、目標に向かって努力する姿勢を継続できること、挨拶できること。出来ることを積み重ねた君たちは私の誇りです。

 入試で実力を出し切ってくることを信じています。

2023年2月8日水曜日

卒業生へ~贈る言葉⑤~

 緑HA

 勉強が得意、とは決して言えなかった。それでも卒業まで努力を継続できたことは称賛に値する。

 勉強が得意な子より、不得手な子が努力を継続するのは至難の業で価値がある。果たして、集中力はつき、暗記は非常に速くなった。何よりはゴールまで努力できたことは誇って良い。年を重ねれば応用力ができる。

 少し辛くなったとき、中学生時代のことを思い出しゴールに向かって前を向こう。明けない夜はない。

 緑KM

 興味を持った分野でも深さを追求するほどの貪欲さはないが、そこそこハマる。勉強面では苦労したこともある。

 インプットしたことを如何にアウトプット(使いこなす)かがポイントになる。努力で培った暗記力を有効活用しよう。中学生時代に身につけた能力は、かなり長期間忘れることはないのだから。

 他人の価値観を否定しないのは長所だが、もう少しだけ自分の世界観を拡げることも深めることも意識しよう。

 緑KY

 好きではなかった勉強だが、卒業まで頑張り続けることはできた。将来の夢は現実的で具現化できるだろう。

 勉強の習慣や長時間の努力も出来るようになった経験は非常に大きい。好奇心に流されず、足元をしっかり見て優先順位をつけて行動しよう。出来れば面倒なことは先に取り掛かり丁寧さを心掛ける。

 純粋で素直な言動は微笑ましいが、齢を重ねると周囲を見て言動しなくてはいけない時期がやってくる。

2023年2月7日火曜日

卒業生へ~贈る言葉④~

 緑OY

 中3になってからモチベーションの浮き沈みが荒かった。良いときはスポンジのような吸収力を発揮していた。

 志望校選びでは理想と現実を見た良い選択だったと思う。何をするのか7年間かけて考える機会を無駄にしてはいけない。就活のときにはワークライフバランスを考え、労働についてむきあう。

 遣り甲斐かホワイトで安定か。高校で文武両立が難しいのと同じでどちら選択するのか21歳までに決めよう。

 鯰江TR

 やらなければいけないことを無難にそつなくこなそうとしていたが、細部を見れば中学生男子独特の荒さもあった。

 学生時代は好奇心に従い多くのことにチャレンジしていこう。そして、できることを増やし交友関係を更に広げる。出会った縁を大切にgive&takeを意識して良い人間関係を維持すれば充実した日々を過ごせる。

 自分に限界をつけず、失敗を恐れずトライ&エラーで繰り返しで得た経験値を糧にしていき自己研磨を継続して欲しい。

 緑SY

 +と-の葛藤をする機会があり、そのバランスをとっていた。一を聞いて十を知るタイプではなく、経験から得るほうだ。

 子どもは多くの成功体験や失敗体験から学ぶ。成功体験では自己肯定感を育み、失敗体験をしたとき真価が問われる。改善点を見つけられる良い機会を得たと考えられるようになって欲しい。

 自覚があれば成長することも改善することもできるが、なければ変われない。成長のために臆せずトライしよう。

 緑IR

 限界を知り葛藤していた中学生時代。努力したから自分の限界や得手・不得手が見えた。中学生で見えたのは貴重だ。

 これからは長所を伸ばすことを意識しよう。欠点を見るとコンプレックスに感じる機会もでてくるからだ。長所は視野が広く、周囲がよく見えていること。ただ、無意識に他人もそれを出来ると思うことがある。

 すると、自分には見えて周りに見えないことがストレスにることもある。人によって使い分けることも大切だ。

卒業生へ~贈る言葉③~

 緑MR

 マイペースなのは長所にも時には短所にもなる。過ぎたるは及ばざるがごとし。何事も程々が良い。

 ただ、日本では出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない。尊重されることすらある。自分が秀でた道を見つけ、それが興味ある分野だったときには突き進んでみる価値はある。どちらになるかの選択は必要だ。

 ポイントは自分の言葉に賛同してくれる人をどれだけたくさん集められるか。徳を積み、周りに人がたくさんいることを継続させよう。

 緑FR

 好奇心は旺盛で自己顕著欲もあり精神的に幼い部分も逆もある。大人視線では案じることもしばしばだ。

 思春期で承認欲求もある。エネルギーが有り余っているので、小さくまとまったり落ち着かずにパワーを維持して欲しい。大半の人は年齢と共に落ち着くが、10年経っても変わらないエネルギーがあれば素晴らしい。

 一つの言動に対して世間がどう感じるのかを常に意識していく。その中でしっかり自己表現していこう。

 緑AA

 感受性の偏りが凄い。天真爛漫で透明度が高く、吸収力がある。出来ないポイントがあってもそれを人徳が上回る。

 純粋にポジティブに向き合えるのが長所だ。長所をそのままに未知を既知に変えたいという知的好奇心を常に持ち続けよう。そうすれば学生時代のように新たな発見を楽しむ日々を大人になっても過ごすことができる。

 いくつになっても新しい発見を意識し、目を輝かせている人はとても魅力的で貴重な存在になれる。

 

 緑IM

 常に存在感があり周囲に人が集まるのが何よりの魅力だ。苦手意識があった勉強は、入塾後得意になった。

 勉強面では出来ることが凄いペースで増えていき、気づけば上に立っていた。それを鼻にかけることなく上を知っているのも強みだ。食わず嫌いで損をしたことを実感したのは非常に良い糧だ。

 これからも好きではない、苦手だ、と決めつけずに多種多様なことにチャレンジし多くの人と接していこう。

2023年2月5日日曜日

卒業生へ~贈る言葉②~

 緑TN

 食わず嫌いを感じることが多かった。長所を伸ばすのはとても良いことだ。ただ、好きではない分野でもとりあえず試してみる。

 すると、見えてくる景色が新鮮で好みのもになるかもしれない。勉強では追い込みを駆けた結果、志望校受験の機会を得た。これからはお尻に火が完全に点く前に少し余裕を持って行動しよう。

 7年間の学生時代で生産的ではないと感じても経験に繋がることは積極的に取り組み、キャリアを積んで欲しい。

 緑KJ

 学校とは異なり、塾では大人しかった。勉強面では卒業を控えてよく伸びていた。果たして、悪くないセンスが身に着いた。

 高校では得意分野を更に伸ばそう。勉強でもその他でも、自分の気に入ったフィールドで活躍し、その分野ではプライドを持って取り組む。狭く、深く知見を深める。そして、新しいコミュニティで先導していく。

ポジティブに取り組まないと、充分できる器があるのだから精進しないのはもったいない。

 鯰江SY

 勉強面ではあまり感情を表に出さなかったが、人一倍感じることはあったようで志望校選びでハードな環境を選んだ。

 思考力ではセンスや努力を感じたが、それを上手く人に伝えたりアピールするのが課題だ。大切なことは言わないと伝わらないのだから、インプットしたことを使いこなせる言動を身につけることを意識する。

 今後養われるであろう、人より多くの情報を収集・分析する能力を有効して活躍して欲しい。

 緑IM

 アスリートのようなストイックさだ。第一印象とそれまでのテストの点でご家族の指導の強さと大変さが見えた。

 理解するまでに時間はかかるが、定着すると強い。周囲に流されない強さもある。価値観が独特なので、自分の距離感に入り込んできた人との折衝で苦労するかもしれない。自分の価値観は大切にしつつ、他人の価値観は否定しない。

 自分で苦手だと思っていることもチャレンジしたら利点になることも多いので、少し深く色々やってみよう。


2023年2月4日土曜日

卒業生へ~贈る言葉①~

 緑SS

 いつの間にか当代最古参になった。女性のような繊細さと男性独特のワイルドさを併せ持つ。自信と傷心が表裏一体なのは思春期だからか。

 高校生になってからも、その後も沢山傷つく経験を積めば良い。失敗経験は何にも勝る大きな糧に変えられるもので、それができる人だ。既に空気を読めるのは素晴らしいが、ブレーキにする必要はない。

 傷ついた分、人に優しくできるよう嫌な経験を連鎖させない。大きな可能性を秘めているのかだら、良く利くブレーキはもったいない。

IS

 ワンセ歴は比較的短い分、色んな意味で色がついていない。つまり独創性がある。自分で考えて行動する機会を多くした。

 創造力は誰にでもあるものではない。むしろ特殊能力の一つだ。これからも自由な発想で多くのことにチャレンジしてほしい。そのためには種類の異なることにも好奇心と行動力を発揮することだ。

 既存の常識にとらわれない新らしい道を切り拓ける可能性を充分に秘めている。齢を重ねる毎に新発見をしていこう。

茨田ST

人見知りで卒業を控えても会話する機会が多くはなかった。マイペースは許される環境とそうでないものがある。

 コミュニケーションを図ることが得手でないなら、新しいコミュニティになる高校生から変われる大きな機会だ。もし、それを望まないなら補えるだけの何かを探して高校生の期間で見つけよう。

 得手・不得手は万人にある。大切なことは自分がどの分野に秀でていて、どの分野に疎いのか意識し立ち位置を確認することだ。

MN

 15歳までに多くの経験し、多くの感情に接してきた。時には消化できないこともあり、得体のしれないプレッシャーを感じることもある。

 ケ・セラ・セラ、そこまで深く考え込むことはない。他人はそこまで干渉してこないし、多数の人は感受性がそこまで豊かではない。同じ人でも時と場合によって本当の感情と異なる一時的な感情を口走ることもある。

 それらに一喜一憂しない。自分を大切にしてくれる人をずっと大切にする。逆も然り。私は、何があってもずっと味方する。

 



2023年1月29日日曜日

卒業生へ~贈る言葉~プロローグ

 コロナ禍で入学した世代。多感な時期に空前絶後の自粛を強いられた世代。コロナに罹患しないことが最優先だったこともあり、勉強の格差が非常についた世代。第22代の彼らとの思い出は格別です。世の中は、自己肯定感や自主性を尊重するようになり「個性」という言葉で注意される機会が激減しました。

 彼らに伝えていたのがコミュニティ(集団)について。子どもも大人も様々なコミュニティに属しています。一番基本的なコミュニティは家族です。そして、学校・部活・お稽古、もちろんワンセもその一つです。そこには法律よりも細かい「マイルール」が存在します。門限であったり、家事のルールであったり。コミュニティに属している限り、決められたルールは守るか、正しい手段で変更するかしかありません。都合の良いときだけ所属していたい、そんなことは大人になると無理になっていきます。

 コミュニティの中で自己流の解釈や言動を続けると浮きます。そして、抜けなくてはいけなくなります。世の中は子どもを「お子様」扱いするので、精神的に幼い時期は優しいのか、冷たく突き放されているのかを感じ取れないこともあります。それを指導するのが親であり、先生であり、地域の人々だったのが、ややもすると親の責任に全て向かいつつあります。

 だから「子育て罰」という嫌な造語ができました。世の中が他人に対してどんどん無関心になっていき、上辺で接する機会が増え、親以外からの愛情を感じる機会が減っている子どもが増えているように感じます。私のような子どもたち全員に感情移入しながら一喜一憂して接する塾は化石になるのでしょう。果たして、厳しく細かく接した最後の世代が今の中3生になると思います。宿題忘れや時間の管理、勉強への姿勢も口うるさく注意しました。既に宿題をきちんとするのが当たり前、という考えは通用しない時代になっています。ルールを守る、そんな私にとって当たり前のことが難しいことになってきました。時間や提出物のルールをも守れない人が社会に出たらどうなるのでしょう。18歳になったら、突然出来ることではありません。だからこそ、小中学生の基本的な姿勢は大切だと今でも思っています。

 卒業する彼らはそれを守れる子たち。次回より「贈る言葉」シリーズの始まりです。