2018年4月26日木曜日

最近思うこと

 ようやく新年度の体制が落ち着きました。電子黒板が新たに導入されたのですが、まだ使いこなすレベルにないので覚えなくてはいけないことがたくさんあります。そんな状態ですが、今の私の悩みはどうやって全員引っ張っていくのかということ。他府県の私立の中高一貫の成功例を聞いたのですが、子どもたちの興味付けに成功した結果、勉強意欲が向上し国公立大学への進学が大幅に増えたそうです。地元開明高校も同様の手段で国公立大学進学者を大幅に増やしています。   

 では、それがワンセにとって見本になるのかというとNoです。なぜなら、脱落者を増やす方法だからです。自主性を尊重する、といえば響きは良いですが我が子の気持ちが入っていないならば引っ張ってもらえることはありません。小中学生を預かる塾として、周囲がやる気に満ちた子しかおらず、良い刺激を受けて自主的に勉強をする。そんな環境の塾などあるわけありません。

 過日、清風高校の先生がお見えになりました。定年退職されて塾周りをされているそうです。私は高校を「おススメできる」「行っても後悔しない」「おススメしない」に大きく分類しています。清風はその中で「(絶対に)おススメしない」学校です。超マンモス校でありながら、自主性を謳いその中で1%未満のやる気ある生徒のみ特別な指導をすることを力説していました。つまり99%以上の生徒を放置し、その見返りとして文科省にアピールで若干名を自慢しているのです。

 極めて一部の子を特別扱いする代わりに大多数を放置し「自主性」をアピールする教育方針は大反対です。また、基礎学力も自分で勉強する習慣もない小中学生に勉強の方法を考えさせることなど理想論です。まずは基礎学力の定着と勉強したという経験に基づく自信をつけるところが肝要だと考えています。そして、基礎学力をつけた上で刺激を受けられる環境の高校を選べるようにすること。大多数の子は時間がない中で勉強か自分の時間を選択させると自分の時間を選ぶでしょう。

 私は、一部の子だけ伸びるシステムに大反対です。大多数の子の保護者の方の気持ちを裏切るからです。私も理想論ですが「全員のやる気を向上させ、全員ギリギリまで成績を上げること」を大前提に考えています。そのために全力で全員を引っ張ろうと思います。さらには大幅な学力向上は大前提で人間的な成長を本人が実感できるようになってもらえるのが大きな目標です。テストで点数を取ることだけに特化した「勉強マシーン」を育てるつもりはありません。

 そうそう、今まで「忖度」して前述の「おススメできる高校」「行っても後悔しない高校」「行ってはいけない高校」を公表していませんが、6月の進学説明会では名指しし、理由も説明しようかと思案中です。