2021年12月1日水曜日

教育のAI化

  塾のチラシで「AIによる最適な問題演習」というフレーズを見ました。AIは最大公約数を求めるための最適解を教えてくれます。換言すると個々に適した答えを示してくれる点では保護者の方を筆頭に、常にその子のことを考えている「人」には永久に勝てません。

 私は、自分の指導教科であれば一つの問題に対して誰が解けて誰が解けないかという個々のレベルを把握しています。AIは最大公約数を教えてくれますが、個々への最適解を求めるのは苦手です。Yahoo!知恵袋の回答が質問者の性格を考慮せずに「常識」を押し付けているのと同じ。そんなAIは使いこなすものであり、頼るものではありません。その道の職人技に工業製品は勝てません。素人には勝てても職人さんには勝てないのです。私は、お預かりした全てのお子さまの最適解を常に模索する職人であり続けます。

 以上、推敲前の次回チラシの塾長からの一言でした。こちらには続きを。

 過日「NOCC教育検査」のモニターとして中学生にモニタリングを行いました。結果は想定上に子どもたちの個性を捉えており驚嘆中です。ただ、ストレス項目は全くあてにできません。また、モニタリングを実施した一時的な感情や状況に大きく左右されるという側面もあります。その点を考慮しても「有料でも実施したい」と感じました。

 私にとっては自分の知っていることの中の一部を文章化された感覚です。普段、抽象的に感じていたことが文字によって再認識させれる良い機会でした。あくまで補助的なものとして使えるものです。私にとっては知識の一部でも個別塾や大手塾の校長レベルなら知らなかったことを教えてくれる貴重なアイテムになるでしょう。はい、皮肉です。

 私は、全てのお子さまの個性を考えています。「10」伝えたいとき「100」言わないと伝わらない子がいれば「8」言えば伝わる子もいます。「10」伝えることが私の中の正義なので、人によって言い方(注意の仕方)は大きく異なります。それを子どもたちには「キャラだから」と言っていますが、常に手探りなので時には言葉を誤ることもあります。次の機会があれば謝ったり、異なるアプローチをすることができます。子育てを均一化することなど出来るわけありません。同じ言葉でも時によって感じ方は大きく異なります。

 だから個性や「今」を把握するため出来るだけ授業前後に声をかけるようにしています。勉強以外に一言を全員にかけられたらと思いつつ完遂できることは少ないです。それでも意識はしています。子どもをクラス(大勢)の中の一人と思ったことはありません。

 AIやシステムに私は絶対負けません。繰り返しになりますが「頼る」ものではなく「使いこなす」ものです。