2021年12月4日土曜日

愛情

  ワンセの補習は愛情で出来ていると冗談めかしてよく申し上げています。半分冗談で半分本気です。子どもたちの成績を上げたい、志望校に絶対合格して欲しいと本気で思っている講師陣。そのために空き時間を見つけて補習しています。費用はいただいていません。

 ただ、報酬は欲しいです。報酬はお金ではなく、講師の教えたい・できることを増やしたいという気持ちに応えるお子さまの努力です。例えば、英語の新入生補習は中3でも中1の導入まで戻って行います。せっかく文法を理解出来ても単語を覚えていなくてはテストの結果には表れません。数学では公式を覚えていないと出来ない問題もたくさんあります。だからこそ、たった一つ二つの公式は覚えてから補習に臨んでいただきたい。

 こちらの教えたいという気持ちより、子どもたちが出来るようになりたいという気持ちが弱い場合、感情を持った「人」なので冷めます。一度二度ではそんなことはありませんが、度々続けば必然です。また、その子のことを考えて組んだ補習のお誘いを理由もなく断られ続けたら、空いた時間を他の子に使うことを考えます。ワンセの先生たちは子どもたちのために時間を惜しみません。でも、お声掛けをして裏切られ続けたらその子への期待値は下がります。講師がそう思うことを止めることは無理です。

 保護者の方は我が子が補習に誘われたかどうか全て把握するのは困難です。endlessの日曜日や五ツ木対策の一部が全員対象ではなくなりました。結果、ごく一部の不参加者がいます。私は、全員に参加して欲しいと思ってお声掛けしていますが、無理矢理やらせるスタイルをコロナ禍によって方向転換しました。歯がゆい気持ちでいっぱいです。全生徒平均は前回よりそこそこ上がりそうで、下がった子はほぼいません。おそらく数値だけならどんな塾にも負けないものにはなっています。でも全く満足していません。むしろ、物足りなさを感じます。

 頑張って欲しいと思う気持ちが非常に強いですが、裏切られ続けるとやるせない気持ちになります。性格的になかなか諦められない性分なので、子どもたちとは沢山話して話して裏切られ続けて、それでも信じて自分の力不足でどうしようもないと感じたら諦めます。そこに至るまで、かなり葛藤があり、先生と呼ばれる人の中では最後まで諦めない努力をします。

 必死になって熱い気持ちを冷ましてから、お子さまの努力なしで保護者の方から補習のお願いをされても簡単に気持ちは戻りません。感情移入しながから教えるスタイルの大変さから、もう少しドライになろうと思って数年経ちました。目の前にお子さまがいる限り、それは不可能だと気付きました。

 最近、入塾説明で「私は(子どもへの思いが)重いですよ(笑)」と言うこともあります。子どもだから無意識に裏切るのは当然だと思います。でも「いつまでもあると思うな、愛と○」