2023年9月11日月曜日

秋の高校レポート①~近畿大学付属高校~

  晴天ときどき豪雨というよくわからない天気の中、秋の高校レポート第一弾です。スポーツ等の推薦組と内部進学目的の進学コース、国公立を目指す文理・スーパー文理で温度差が激しいのでスポーツ推薦と内部進学組を除いた数値です。

 校風3.5授業態度3.5教授力4お勧め度4.5。何より驚いたのが(スーパー)文理コースの授業。先生方の熱量が令和風の授業において最大値ではなかろうかと感じました。オール4の学校とずっと呼んできたのですが、頭3つ分ぐらい突出したように感じます。令和5年度現役の東京阪神大阪公立大合格率はおそらく最高値ではないかと思います。大阪国際の校長が就任時に発言していた「勉強よりも大事なこと(部活・社会に出てから役立つことを優先)がある」の第一期生卒業生が前年対比でボロボロの結果になったのと対照的です。

 元来、色んな意味で近高は余裕のある校風でした。それを教えることに時間を割いたり、授業に燃えている先生が沢山いました。これからの学校である常翔啓光と近高が推し学校になる可能性大です。近大を保険に他大学にチャレンジできるのは本当に大きいです。安心して勉強できるのが大きな魅力。また、奈良県から優秀な子たちの通学が多く、国立を狙える学力の子が多数在籍しているもの大きいです。

 正直、私立・公立含めてまとまな授業を諦めつつあった私に、超久しぶりに感動を与えてくれた学校です。大阪の学校教育はまだ捨てたものではないと感じました。

最近の出来事

 まずは先週の主体性の続きから。私は、主体性そのものを否定しているわけではありません。欧米のようにディベートを重視し、なぜその答えになったのかを他人に理解できる説明できることを目指すのは賛成です。ただ、現実は中高生で自己選択できない子が多いです。食べたいもの、欲しいもの、行きたいところを聞いて自分の考えを言えるのが主体性の第一歩でしょう。それが実現できるかどうかは別問題です。

 主体性を育む教育とは、子どもに選択肢を与えて選ばせるところからです。幼少期から「晩御飯に何を食べたい」「次の休みはどこに行きたい」などです。まずは二択・三択から選ばせるのも良いでしょう。そして、それが思い通りにならないことがあることを覚えてもらう必要があります。あくまで意見を参考にするのであって常に言うことを聞くと幼少期に必要な我慢を覚えることができなくなるからです。

 前置きが長くなりましたが、最近の授業での出来事。小4、小5はモチベーターが多く、気分が乗っている日と、そうでない日の差がとても激しいのですが、最近は良い日が多いです。適度な休日は良い影響をもたらすのだと実感しています。すると理解度も読解力も上がり良い状態です。小6はMEの成長の跡を感じます。初めて見た日から2年間はスピードに大きな課題がありました。感慨深いほどの成長の軌跡です。また、MHは順調に出来ることを増やしています。KSNRは今年入塾組ですが、みんなに追いつき追い越せ精神で課題を頑張り、暗記に関しては塾内でも良い位置です。競争心があるのは良いことですね。

 中1は悪くはないのですが、地道な努力が継続しにくい学年です。学校のテストレベルなら見映えの悪いことにはならないと思いますが、実力をつけていくことに関してはもう少し欲を出したいところです。とはいえ、詰めが甘くない中1はほとんどいないので、例年通りといえば寧年通り。中2,3同様やらされてする勉強から少しずつ自分で課題を考えられる下地を作って、再来年には出来るようになって欲しいところです。

 中2は塾リンピックで緑ISSK、NH 鯰江MKの4人が満点完走者。素晴らしい。金銀メダリストも間違えたのは全10回中1回の緑NYSHがいます。若干名の手抜き組がいますが、全体的には頑張った感じです。チームRA(チームRJ&チームA改め英数の総称)では主体性を重んじていますが、ほぼ全員が時間外でもやりにきていました。

 中3数学は緑OYが良い感じ。ただ、社会の仕上がり具合がとても良かった一ヶ月前からすると更なる追い込みが期待されます。また、緑IHは基本の定着は良い感じです。理科では緑THが健闘しています。受験生全員、志望校合格目指して全力でラストスパートを駆けていく予定です。中間テストが終わったら週30時間体制に移行します。

2023年9月5日火曜日

寄り添う・主体性

 最近の教育は「寄り添う」「主体的に」などの言葉が大好きです。やはり私は、そんな言葉を軽々しく用いる人を信用できません。「寄り添う」と「主体的に」を分けて考えてみます。

 寄り添うことは非常に難しいです。褒めることより叱ることより難しいです。まずは寄り添う相手の性格を熟知しなくては寄り添うときの「距離感」がわかりません。相手を知らずして寄り添うのはただの放置であり、無責任です。失敗したときに優しい言葉をかけ続けることが正しい日本の新しい文化だとするならば、世界によりいっそう置いていかれること間違いなしです。日本は自由で無責任である代表的な国になるでしょう。当事者意識はなく、常に第三者の責任にして愚痴をこぼすようになるのかもしれません。

 30代~50代の人は「寄り添う」の意味の解釈として、距離を取って頭ごなしに言わず、相手を尊重して「お・ひ・た・し」に気をつけることだと認識している人が多いです。「おこらない」「ひていしない」「たすける」「しじする」これらの総称です。飲食店で高校生への指導を何度か見たことがあります。年配のパートの方がこれ以上ないほどに優しく猫なで声でミスしても諭していました。これでどうやって成長するのか本当に不思議です。責任感が芽生えることもないでしょう。その後の店員の態度は「ここにいるのだからお金がもらえる」という感覚でしかありません。経営者視線ですと、いるだけでマイナスの存在なのに恥ずかしくないのかと感じます。

 ましてや子育てで寄り添うとは笑止千万です。熱湯を触ろうとしても、窓から乗り出そうとしても同じトーンで「だめよ」だけで言うことを聞ける、聖人君子な子どもしかいない前提で話す自称専門家。コーチング理論を乳幼児にも取り入れるとか本当に無知は恥です。

「主体的」とは自分で課題を考えて行動することです。そもそも自分で考えるためには知識が必要です。勉強で例えるなら三角形の面積を求める公式を覚えていないのに、発展問題である複雑な図形の面積など求められるわけありません。また、新入社員で会社のことが何も理解できていないのに主体的に動けないでしょう。

 翻ってワンセ。それでも主体性を大事にしたいと試行錯誤している真っ最中です。全員共通の宿題削減やペナルティ制度廃止(中2以上)でも塾全体の成績は上昇気味です。オン・オフのけじめのためにテスト対策は2週間前からテスト最終日の前日までに短縮しました。endlessは朝10時から夜10時までを復活。授業とテスト対策も出来る限りわかりやすく分けています。そして、中2ではチームRJ&チームAの開始です。英語数学でテスト日を設けて、問題演習をしていきます。英語は中1からの復習。数学は入試必須問題の確認と定着、そして難問を解けるような基礎固めが目的です。まずは主体的に取り組むことを信じて1週間様子を見ます。昨年はendlessの自由参加と日曜日廃止の方向で調整しましたが、結局自宅学習はあまりしなかったので、今のシステムになった経緯があります。

 私の考えるワンセの主体性とは、自分で勉強する内容を考えて実行し、取捨選択しながら出来ること・やり方の引き出しを増やすことです。そのためには基本が出来ていないと実現は厳しい。長い構想でようやく実現したチームRJ&Aなので有意義にできるようブラッシュアップしていきます。自主性は尊重しますが、勉強しないという選択肢を与えるつもりはありません。

追伸:中3国語で五ツ木過去問において緑MRが初トップ。これを継続させていきましょう。

2023年8月8日火曜日

最近の出来事

 酷暑の次は台風と自然には敵わないと実感する今日この頃です。8月6日といえば広島に原子爆弾が投下された日。あれから78年経ちました。初めて原爆ドームを訪れたのは比較的最近で、令和になってからです。日本人なら一度は訪れるべきだと強く感じました。

 夏期講習会に入り、管理業務と授業に追われています。自分の仕事の中で何を減らすか考えた場合、一番目は高校の塾対象説明会です。元々、個別で訪問していますので、非常に恐縮ですが、そうなります。次にこのブログ。授業後に仕込むことが多かったのですが、かなりの頻度で授業前後にスタッフとやり取りしており時間を取りにくくなっています。特に個別では、教材作成をタイムリーにしているため、想定以上に時間が必要です。 と、ブログを更新していない言い訳をしたところで最近の授業の出来事。

 少人数で授業する小学生は少し難しいです。周りがわかりにくい環境なので子どもに甘えが発生しやすくなります。あえて、他学年の補習の子たちが後ろにいるほうが快調に進むことが多いです。個別小学生は、学生講師でも大丈夫かと思いましたが、逆ですね。中学生のほうが出来ないことが見えやすく、分かりやすいです。小学生は自分で見ないといけないと強く感じています。

 小4は「大きな数」という山場がありました。適度に復習しておかないと忘れる単元です。AHはモチベーションの波が荒く、良いときは頭の回転も速く、出来ることが増えます。逆のときは頭の中が真っ白になることがあり、良い波の時間を増やすのが課題です。国語のグラフの読み取りなど、自分の考えを書くことに光るものを感じます。小5YHは元々算数において出来ることが多く、国語の成長が課題だったのですが、国語力がかなりついてきました。次は英語の知識を増やすことですね。小6はMEの成長著しいです。新入生組も出来ることを増やしています。夏休みから新メンバーが一気に増え、既存生の出来ることがかなり多いことを実感できます。

 中1数学は方程式の応用文章題に突入。レベルを特進に合わせているのですが、なかなかみんなついてきます。特に、緑NYの成長を非常に感じます。精神的にも、勉強面でもです。クラス全体としては基本が終わり、ようやく楽しい問題(文章題)を解けるようになりました。軽いヒントで閃ける子がいるので、数学担当して期待しています。また、英語の塾リンピックも結果が良く、良い状態です。

 中2は可もなく不可もなく、という状況です。ただ、非常に遺憾ながら自習中(室)にスマホを持ち込みLINEを見た子がいました。ワンセの信用の失墜行為です。自習室の無期限利用禁止と次回同様のことがあれば退塾になることを伝えました。授業としては長丁場の一次関数がようやく終わり、角度について導入しました。緑ISの応用力が良い感じ。緑SHや鯰江MKも悪くないです。

 中3は数学が教科書内容が終わり、受験問題を解ける状態になりました。今年は関北・大阪国際・近高の過去問を中心に解こうと思っています。緑OYが志望校を決めてから非常に良い成長を見せています。社会で五ツ木の偏差値80をゲット。偏差値80は久しぶりに見ました。緑TSも出来ることが少しずつ少しずつ確実に増えています。これから伸びていく時期ですね。

2023年7月27日木曜日

最近思うこと

 夏期講習に入り、過去一番のハードスケジュールで授業後に齢を感じています。授業の合間には居残りや再テストでバタバタしています。最近の出来事をアップしたいのですがなかなか時間が取れていません。今回は最近の教育業界について感じることです。

 ネットの記事で小1の授業について論じている自称専門家がいました。もっと楽しく、発言を大切に主体性を重視しないといけないという論調でした。もうね、無知ですよね。子育て経験もなく教壇にも立ったことがなく、机上の空論で理想を述べているのです。

 学校は家族の次に重要なコミュニティです。件の自称専門家は好きなことを好きにさせ何をするのか自分で考える力が幼稚園卒業したての子にあると思っているのでしょう。まずはルールや社会適合させることが重要です。決められたルールは守る。協調性を覚える。勉強を含む様々な基本的な知識や動作を身につける。それらができてから、手法と言う引き出しを身につける。そして主体性を育めば良いのです。

 教育現場では主体性ばかり上から言われて、放置することが増えています。主体性=放置=無責任だと私は考えています。うちでお預かりしている、世間では比較的上位層の子でも主体性のある子はほとんどいません。早くて高校生から、遅くて高校卒業後に自己責任を取れるようになってから主体性を育めば良いのです。

 文科省はアクティブラーニングの大失態の二の舞を具現化するのでしょう。数年前に一斉に言われたアクティブラーニング。何をすれば良いのか分からず意味不明なアクティブラーニングの授業がありました。本来のアクティブラーニングとは自分で課題を見つけて自分で解決すること。例えば父の日や母の日、近しい人の誕生日プレゼントを自分で考えて、何が喜ばれるのか想像しながら買ったり、作ったりすることです。結局、ひっそりと無きものにされました。

 主体性はそれに続く駄作でしょう。基本の出来ていない子に応用どころか発展・実践の主体性などできません。ピアノの世界で鍵盤をまともに叩けないのに、自由に曲を弾こう、と言いているようなものです。どんな道のプロでも最初は基本の定着を人並み以上に身につけているのです。大谷翔平が一番評価されているのは二刀流を継続している体力。最初は基本の定着を徹底し、その後は前人未到の旅域を試行錯誤して成長を続けているのが凄いのです。

 机上の空論であれこれ言えるエコノミストや政府ご用達期間は本当に無責任で羨ましい。経済学部でしたが、政策提言をしたときの責任の所在について聞いたところ、教授は提案するまでが仕事で採決はもちろん、採択後の結果については一切の責任はないということでした。

 私の周りで、感情的にならずに話し合って子育てしてある程度上手くいっているケースは両親二人とも天才型の旧帝国大出身で、子どもも幼少期から全ての分野で人並み以上に出来ている子だけです。その他大勢の凡人にはそれなりの教育をしなくてはいけないと強く感じる昨今です。



2023年7月10日月曜日

春の高校レポート②~常翔啓光学園~

 懇談会がようやく終わりが見えている中、常翔啓光学園にお邪魔してきました。早速レポート。校風3.5教授力3.5授業態度3.5お勧め度4。教育の質の劣化を感じて数年が経っています。質が上がる可能性を感じる極めて数少ない高校の一つです。質を上げるためには先生の数を増やす必要がありますが、バブル崩壊後、少子化が始まり生徒数が減る中で高所得の教諭をどうにかすることが大きな課題の一つであった高校も多い中、やっと高所得で役に立たない先生が退職されました。経営面で人件費の高騰は避けたいところで、非常勤比率が昭和の頃より高くなっているのは仕方がないところです。

「寄り添う」と言う言葉はどちらかというと嫌いな言葉ですが、教育者は好んで用いる傾向があります。 何が嫌かと言うと、その言葉を発している校長や理事(長)自身は、従業員に寄り添っていないことが多いことです。自分は全く他人に寄り添わず唯我独尊なのに、理念や部下に「寄り添う」を用いることは興醒めです。全てが空々しく感じます。偽善者ほど好んで用いているとさえ感じます。そんな人に問いたい。「自分の子育てでも同じことをしていますか」と。

 翻って常翔啓光学園。校長先生のおっしゃった「寄り添う」という言葉に、久しぶりに言霊を感じました。寄り添うを履き違えて、自分が責任を取らずに他人を甘やかしている中間管理職及び現場責任者。寄り添うことを強要しつつ、全く部下を含む周囲に寄り添わず気遣いされている裸の王様の肩書だけ偉い人を見て辟易としていましたが、清々しく色々なお話を聞けて良かったです。教育に未来を感じる本当に少ない学校の一つです。

2023年7月1日土曜日

続・期末テスト速報

 緑中1は無事テストが全員返却されました。全員中間テストよりも点数を上げてくるという快挙。素晴らしいです。新入生MHも努力の成果が実り大台到達。UMも大台突破です。INは学習奨励賞まであと1問という惜しいながらも満点2枚で中間テストよりも上げてきたのは立派です。中2は緑OK、OY、OSの3人が揃って入塾前比約111点アップ。中間テスト全生徒平均431点から7点アップの438点ペースです。茨田北中学が金曜までテストのため、平均点は変わりますが、上がることはあっても下がることはないでしょう。