2023年7月27日木曜日

最近思うこと

 夏期講習に入り、過去一番のハードスケジュールで授業後に齢を感じています。授業の合間には居残りや再テストでバタバタしています。最近の出来事をアップしたいのですがなかなか時間が取れていません。今回は最近の教育業界について感じることです。

 ネットの記事で小1の授業について論じている自称専門家がいました。もっと楽しく、発言を大切に主体性を重視しないといけないという論調でした。もうね、無知ですよね。子育て経験もなく教壇にも立ったことがなく、机上の空論で理想を述べているのです。

 学校は家族の次に重要なコミュニティです。件の自称専門家は好きなことを好きにさせ何をするのか自分で考える力が幼稚園卒業したての子にあると思っているのでしょう。まずはルールや社会適合させることが重要です。決められたルールは守る。協調性を覚える。勉強を含む様々な基本的な知識や動作を身につける。それらができてから、手法と言う引き出しを身につける。そして主体性を育めば良いのです。

 教育現場では主体性ばかり上から言われて、放置することが増えています。主体性=放置=無責任だと私は考えています。うちでお預かりしている、世間では比較的上位層の子でも主体性のある子はほとんどいません。早くて高校生から、遅くて高校卒業後に自己責任を取れるようになってから主体性を育めば良いのです。

 文科省はアクティブラーニングの大失態の二の舞を具現化するのでしょう。数年前に一斉に言われたアクティブラーニング。何をすれば良いのか分からず意味不明なアクティブラーニングの授業がありました。本来のアクティブラーニングとは自分で課題を見つけて自分で解決すること。例えば父の日や母の日、近しい人の誕生日プレゼントを自分で考えて、何が喜ばれるのか想像しながら買ったり、作ったりすることです。結局、ひっそりと無きものにされました。

 主体性はそれに続く駄作でしょう。基本の出来ていない子に応用どころか発展・実践の主体性などできません。ピアノの世界で鍵盤をまともに叩けないのに、自由に曲を弾こう、と言いているようなものです。どんな道のプロでも最初は基本の定着を人並み以上に身につけているのです。大谷翔平が一番評価されているのは二刀流を継続している体力。最初は基本の定着を徹底し、その後は前人未到の旅域を試行錯誤して成長を続けているのが凄いのです。

 机上の空論であれこれ言えるエコノミストや政府ご用達期間は本当に無責任で羨ましい。経済学部でしたが、政策提言をしたときの責任の所在について聞いたところ、教授は提案するまでが仕事で採決はもちろん、採択後の結果については一切の責任はないということでした。

 私の周りで、感情的にならずに話し合って子育てしてある程度上手くいっているケースは両親二人とも天才型の旧帝国大出身で、子どもも幼少期から全ての分野で人並み以上に出来ている子だけです。その他大勢の凡人にはそれなりの教育をしなくてはいけないと強く感じる昨今です。



2023年7月10日月曜日

春の高校レポート②~常翔啓光学園~

 懇談会がようやく終わりが見えている中、常翔啓光学園にお邪魔してきました。早速レポート。校風3.5教授力3.5授業態度3.5お勧め度4。教育の質の劣化を感じて数年が経っています。質が上がる可能性を感じる極めて数少ない高校の一つです。質を上げるためには先生の数を増やす必要がありますが、バブル崩壊後、少子化が始まり生徒数が減る中で高所得の教諭をどうにかすることが大きな課題の一つであった高校も多い中、やっと高所得で役に立たない先生が退職されました。経営面で人件費の高騰は避けたいところで、非常勤比率が昭和の頃より高くなっているのは仕方がないところです。

「寄り添う」と言う言葉はどちらかというと嫌いな言葉ですが、教育者は好んで用いる傾向があります。 何が嫌かと言うと、その言葉を発している校長や理事(長)自身は、従業員に寄り添っていないことが多いことです。自分は全く他人に寄り添わず唯我独尊なのに、理念や部下に「寄り添う」を用いることは興醒めです。全てが空々しく感じます。偽善者ほど好んで用いているとさえ感じます。そんな人に問いたい。「自分の子育てでも同じことをしていますか」と。

 翻って常翔啓光学園。校長先生のおっしゃった「寄り添う」という言葉に、久しぶりに言霊を感じました。寄り添うを履き違えて、自分が責任を取らずに他人を甘やかしている中間管理職及び現場責任者。寄り添うことを強要しつつ、全く部下を含む周囲に寄り添わず気遣いされている裸の王様の肩書だけ偉い人を見て辟易としていましたが、清々しく色々なお話を聞けて良かったです。教育に未来を感じる本当に少ない学校の一つです。

2023年7月1日土曜日

続・期末テスト速報

 緑中1は無事テストが全員返却されました。全員中間テストよりも点数を上げてくるという快挙。素晴らしいです。新入生MHも努力の成果が実り大台到達。UMも大台突破です。INは学習奨励賞まであと1問という惜しいながらも満点2枚で中間テストよりも上げてきたのは立派です。中2は緑OK、OY、OSの3人が揃って入塾前比約111点アップ。中間テスト全生徒平均431点から7点アップの438点ペースです。茨田北中学が金曜までテストのため、平均点は変わりますが、上がることはあっても下がることはないでしょう。

2023年6月29日木曜日

期末テスト速報

 鯰江中2MKから英語数学の満点報告!学校平均点との差では鯰江中2が自己ベストになっていそうです。中2緑ではISが数学満点!!SH、OSは余裕の自己ベスト更新で大台を大幅に突破!!前回、自己ベストを大幅に更新したNHは今回更にアップしそうな気配です。OYも同様に自己ベスト連続更新できそうです。中だるみの多いこの時期にクラス平均もベストになりそうなのは喜ばしい限りです。ちなみにSKは全教科90点超。安定して高得点を取れるようになりました。MSも前回より点数を上げて自己ベストの順位の予感。何よりは1年生よりも下がり傾向の子が一人もいないのは素晴らしい。全生徒平均へのこだわりが結果につながっているようで何よりです。

 中1は緑INが中間テストに続き連続で英語理科満点。数学はもったいない勘違いで満点を逃しましたが、上々の出だしです。緑UM、NY茨田TTは未返却教科はあるものの、中間テストよりも平均点は高いです。新入生MHはテスト対策中に入塾し、いきなりハードな時間を過ごしましたが、目に見えて点数も出来ることも大幅に増えています。中1の学年平均456点だった中間テストよりも期末テストのほうが平均点が上がっています。一般的に最も良いと言われる一学期中間テストが自己ベストになる子はワンセにはほとんどいません。点数や順位で上昇しています。

 中3は緑TSがついに、とうとう、ようやく待望の大台大幅突破!!努力に結果が伴って本当に嬉しいです。緑IHOYは自己ベストペースです。茨田SKはさすがに大幅に上昇するのは難しい点数の子が多いのでボチボチですね。緑THはようやく落ち着き始めたようです。新入生MRは右も左もわからぬまま流されるように頑張っています。中間テストで大台に乗ったのでここから微増させていきたいところです。ただ、定期テストは良いものの実力に課題があるのがワンセ生。五ツ木の過去問結果は芳しくありません。これからしっかりと実力をつけて今年も志望校全員合格です。

2023年6月23日金曜日

優しさ

 チームワンセルフ①で書きましたが、優しさとは強さの裏側にあるものです。強さがない優しさは自分が傷つきたくないだけの弱さ、または責任逃れをしたい無責任です。その典型が「寄り添う」という言葉で子どもを肯定するだけの無責任アドバイスでしょう。

 令和の時代は、より一層他人に無関心な世の中になり、経済格差が拡大の一途のように感じます。巷で先生ブラックさについて論じられることが増えました。本当に今の先生は大変です。モンスターペアレントの無茶ぶりや、何でもかんでも学校に言うのはおかしいです。どうして、学校外の万引きや事件に対して時間外で応じるのでしょう。学校は文句を言えないから、それが普通だと思っていたからetc…。先生にそれだけのことを任せたいなら、それなりの対応を保護者もすべきだと思います。「してもらって当然」「重箱の隅を楊枝でほじくる」ような態度では先生のモチベーションは下がる一方です。
 
 翻ってワンセ。入塾時の説明で集団授業は補習が多いこと、それは先生の愛情でできていることを説明しています。愛情に一方通行はありえません。土日の休みを割いて教えに来てくれるのは義務感ではなく、みんなの成績を上げたいから。去年の成績と照らし合わせて担当の子がどうなっているのか講師全員が一喜一憂しています。補習をさぼったり、提出物を手抜きされることが続けば愛情は冷めます。ひいきをすることはありませんが、積極的に見ようという気持ちが薄れると気持ちが戻ることは至難の業です。

 優しさを一方的に甘受できるのは幼少期までの親の愛情ぐらいです。かつては親の愛は無限だと思っていましたが、子どもがあまりにも理不尽な言動を繰り返すと最後の緊張の糸が切れ、無関心になることを知りました。

 ー閑話休題ー

 新中学生になる彼らに伝えたことがあります。それは「新しい先生はやる気に満ちているが、経験不足ではある。どんな先生も嘘はつかないし、一生懸命に説明する。でも、言葉遣いが難しくて理解できなかったりすることはある。そんなときは聞けば必ず答えてくれるし、先生も反省する。良い先生は、良い教え子によって生まれる。君たちはそういう子だと信じて敢えて新人の先生を入れている」という内容です。子どもなので、時おり遊びたくなることもありますが、ずっと頑張っています。

 ある高校の先生が学校を改革したいとおっしゃったとき、そのためには先生を育てる生徒が必要だと言いました。頑張る先生に頑張る子どもがいないと、改革の速度は年単位で遅くなるとも伝えました。

 ワンセの子たちが伸び続けているのは歴代の卒業生の頑張りと、それを見てきた現役の子どもたち、講師でもある卒業生スタッフの愛情・優しさで成り立っています。こんな他人に上手に距離を取ることがよしとされる時代でも、大切にしたい根幹は失いたくありません。

2023年6月21日水曜日

続・大阪府私立高校無償化論点

https://news.yahoo.co.jp/byline/suetomikaori/20230621-00354534 

上記より引用

「問題点1:生徒さんたちの行きたい特色ある私立学校がなくなる

生徒1人あたりに補助する授業料上限を60万円と決めてしまうということは、学校は1人あたり60万円分の教育しかできなくなるということです。

このほかに私立高校は、大阪府から私学助成金をうけとっていますが、生徒1人あたり年32万6700円(2022年度)という金額で、47都道府県中46位という水準にとどまっています。

つまり生徒1人あたり92万6700円で私立学校で教育してくれ、という仕組みが、大阪の高校完全無償化なのです。

公立高校の生徒1人あたり経費は1,083,212 円(2022年度・文部科学省・地方教育費調査)ですので、完全無償化により大阪の私立高校は、公立より安く経営されることになります。

こうなると、公立より安かろう悪かろうの教育しか、私立高校ができなくなることはあきらかです。

それぞれの私立高校が積み上げてきた、特色ある教育がなくなっていくのです。

特色がある私立高校に行きたいという生徒さんたちにとっては、せっかく完全無償になっても、特色ある私立高校ではなくなってしまうという事態が起きるのです。」(末富2023)


>> つまり生徒1人あたり92万6700円で私立学校で教育してくれ、という仕組みが、大阪の高校完全無償化なのです。


高校により名目は異なりますが、授業料以外の学習関連費などで3年間合計100万円前後かかります。無償だと思うとご家庭としては程遠い経費が3年間で必要です。


>>公立高校の生徒1人あたり経費は1,083,212 円(2022年度・文部科学省・地方教育費調査)ですので、完全無償化により大阪の私立高校は、公立より安く経営されることになります。


twitterにも書きましたが、公立高校の経費には授業料以外も計上しておいて、あたかも私立高校が公立高校よりも安い92万円で学校運営をしているかのように誘導する見せ方は反対です。


 大阪府の意見も私立高校の意見もまともに書いた記事を見かけたことがありません。正しい情報は詳細を確認してからうちが発信します。


2023年6月20日火曜日

大阪府私立高校無償化論点

 まずは、最重要項目である現中3生が新制度への移行期となる来年度の私立高校無償化について。7年前から大きな転換期を迎えることが決まっていた現中3の無償化については、来年度確定ではないものの現行制度、つまり所得制限付きの無償化を継続させる。高2になってから新制度の成立を目指す、という方向性です。

 さて、連日マスコミを賑わせている大阪府私立高校無償化の論点がようやく見えました。キャップ制度における府と私立高校の駆け引きばかりがクローズアップされて、そこそこ両方の情勢に明るい私でも真の問題点がどこにあるのかわかりませんでした。端的に申し上げると保護者のかたの経済的負担は減る方向にしかいかないということです。詳細は懇談会でお話できればと思っています。

 近々、学校訪問をする中で私立高校側の意見をしっかり聞こうと思います。ただ、私としては私立でも公立でもまとまな授業をしてから色々語って欲しいです。本当に教授力の低下は嘆かわしい。それはモンスターペアレントの意見を聞きすぎ、先生に仕事を増やし続ける風潮に問題があります。先生に時間外を求めすぎた結果、教材研究に割く時間がなくなっているのです。

 ワンセのように先生も子どもも保護者も大切にして存続できているのは、ひとえに保護者の方の理解の賜物です。学校も教育委員会や校長がしっかり現場の先生を守りつつ「ダメなものダメ」「それは学校のすべきことではない」とはっきり言う必要があります。

 学校外で万引きがあったりすると学校へ連絡がいきます。何で学校に指導を求めるのでしょう。警察も世間も、叩きやすい、頼みやすいところに言い過ぎです。部活指導したい先生、授業に力を入れたい先生、生活指導に尽力したい、個々の先生の遣り甲斐を組むシステムを構築しないのでしょう。

 先生も人間です。子どもたちや保護者の方から感謝の気持ちを聞くとそれだけでこれからも頑張ろうと思えます。逆に理不尽な要求や無筋を通そうとする人にはマイナスのパワーを使います。

 私は、自分の器を知っているので多くの人に発信する力はありません。それでも、周りの人の信頼だけは絶対に裏切らないでおこうと思っています。