2016年10月25日火曜日

10/24の出来事、大阪市教育委員会より

朝から大阪市教育委員会に参加。最大の関心は全国学テの結果を受けての大阪市の見解です。2014年まで万年ブービー争いをしていた大阪府は、昨年、結果を内申に入れると決定し、中学生のテスト結果が一気に上がりました。つまり、特別な対策をするより、モチベーションを上げることが最も影響を及ぼしたということです。
今回の大阪市のレポートではいくつかの生活習慣とテスト結果の関連について報告がありました。大阪市教育委員会によると「宿題を家でする」グループの平均点より「宿題を(自分で)調べてする」グループの平均点のほうが、全国平均よりも10点以上高くなるという結果がわかりました。わからない問題は自分で調べることが当たり前なのはわかっていましたが、こうやって点数差になるとより納得です。この10点差はどれぐらい大きいのかというと小中の結果が全国ワースト2位の大阪府は全国平均と3ポイント程度しか差はありません。宿題を調べてやる習慣はその3倍もの影響を及ぼしているということです。わからない問題をすぐに誰かに聞いても、その場限りの理解で効果はあまりないのですね。
私も論文に近いレポートを数値の精査と共に書きたいところですが、残念ながら時間がありません。数値を見やすくしたデータを作成していませんが、今回の大阪市教育委員会レポートより、私の持論であった調べることの大切さが可視化(数値で見えた)されたことは大きく、納得です。同時に習熟度別クラスは現場アンケートでは極めて有効的であるという意見が多数を占めているものの、現実的な理解度のアップにはつながっていないこともわかっています。
ちなみに小中の合算値でワースト2位なものの中学生においては全国38位と2015年に続き大幅に順位を上げています。逆に小学生は全国ワースト争いから脱却できる要素はないということです。中学生の大幅アップは私の中では「子どもたちの意識があがった結果」という認識です。もし、大阪府の取り組みが奏功しているなら小学生の点数も上がっていなければおかしいからです。
考える力や創造力が重要だと文部科学省はアピールしていますが、現実的にそんな教育はどこでも実現されていません。国公立大学のトップ層ですら「与えられたことをこなす能力に長けているが、創ることが極めて不得手」な集団で、独創的な発想ができたり無から有を創る能力は大きく欠如していました。論文発表などでも独創性に欠けるものばかりで無味乾燥で、日本の将来を大きく憂いています。
翻って市教委。高齢者が集まる市教委ですら考える力の大切さについての発言が多かったですが、有益なものはありませんでした。「大切だ」ばかりでそのためのプランが出ておらず、旗を振る人すらいないのです。的外れな対策はしないよりマシですが、上がってきたデータ分析をして新たな対策を創造する力がない人たちが日本を変えていけないでしょう。
真のアクティヴラーニングとは勉強を介する必要などありません。身近な例でいくと1週間の弁当の献立を自分で栄養バランスを調べて考える、遠足のタイムスケジュールを子どもたちで作成する、家族の誕生日を当事者以外で当時者が最も喜んでくれることを考えてする、などいくらでもあります。それを学校の先生が宿題として出して、レポート提出させる。もちろん子どもですからできないことをプランニングすることもあるでしょう。それに対してヒントを大人があげればいいのです。
本格的に委員会に参加したくなりました。