2014年8月22日金曜日

独立当初、恩師に「きれいごとで世の中渡りたい」と言ったとき「そんなことは安定した収入を得られるようになってから言え」とアドバイスいただきました。その通りだと思います。でも私は未だに当初の考えを変えていません。恩師の言葉のほうが正しいのはわかっていますが、それでも14年やっていけているのは「きれいごとでやっていけている」と思っています。

巷ではブラック企業という言葉が流行っています。その定義に当てはめれば私が新入社員当初に所属していた大手進学塾はブラック中のブラックです。「残業手当は20時間まで。超過分は支給しない」と書かれてあり、300時間の時間外も20時間分しかありません。また、初任給20万円と書かれてある就業規定でしたが月手取りは13万円で年間200万円(税込)あるかどうかの金額でした。非常勤でいればその倍以上の金額を3分の1の労働時間で手に入れられました。

現在でも私はその会社(塾)をブラックだと思っていません。新人の社会人など、誰もが上司の助けなしでは何もできません。社会の常識をお金を頂いてご教示いただいたと思っています。そのうえお金をもらえるとはありがたく、当時の研修官には恩義しかありません。

翻ってOneSelf。大鹿氏、中塚氏はウチを経て公務員になりました。副業規定のためバイトすることはできません。それでも両氏は「元教え子のために(無償でも)教えたい」「事務仕事で(私が)追われているならいつでも(無償で)助けたい」と思ってくれたり、言ってくれたりします。学生である鳴海や生田は何も言わなくてもお金にならなくても就業後にゴミ出しをしてくれます。それに対して私は感謝の念と、気遣いができることを微笑ましく思っています(鳴海・生田は卒業生でもあります)。彼女たちがしてくれている心遣いは家族に対して無償でする家事やゴミ出しと同じでしょう。少しの気遣い・労力で喜んでくれたり感謝されるからしてくれているのだと思います。

働くのはお金のためかもしれませんが、少なくとも私にとってはウチにいる全員欠かすことのできない逸材です。昨年度の大学忘年会で「経営者として一番大切なものは何か」と聞かれ即答で「従業員の安定した生活」と返答しました。自分の生活よりも大切なものだと思っています。そんな私をみんなが自分のできる範囲で助けてくれて(いると思って)います。

世間一般の会社のように大きくなれなくてもいいから、自分の周り(働く仲間・子どもたち)の人たちとはずっとそんな関係でいたいです。

2014年8月21日木曜日

補習

OneSelfは補習の多い塾です。私の行っているすべての補習は無償で、気持ちで動いているのです。今夏、中2中3の希望者にほぼ毎日昼間補習を行っています。対象者は「さらに上を目指している子」です。常々感じているのは、週1回の授業で知識を得ても使いこなす場が不足してるということで、これは上位を狙う子ほど該当します。インプット(暗記)した知識データをアウトプット(使いこなす)ことが肝要で、宿題は基礎学力の定着(定期テスト8割)を目指しています。

大手進学塾出身の私は無駄な宿題の量の多さや、課題の多さを知っています。むしろマニュアルを作る側で「宿題をこなさないから成績が上がらないのです」という言い訳のために多量の宿題を出していました。現在は自主学習・予習学習が代替しています。これをやった子は成績が上がっている、やらないから上がらない(うちに責任はない)という論法です。

ところで、コーチングを導入した塾もあります。コーチングとは本人の自主性を重視し、叱らず、自分で課題を見つけて自分でクリアする力を養うことです。つまり先生は最低限度の指導しかしないのです。桜宮高校でも実践されています。コーチング理論には賛成ですが、それを13歳から15歳の子に導入することは反対です。小中学生は圧倒的にインプットの時期であると考えるからです。基礎がないのに応用はできません。また、この時期の子どもたちに自分で考えて勉強するならしてね、しないなら仕方ない、という論法は通じないでしょう。小中学生のお子さまがいらっしゃるならご家庭ならおわかりだと思います。宿題ですら覚束(おぼつか)ないのにプラスアルファの勉強を自主性の尊重をするなど、結果は火を見るより明らかです。

将来の選択肢を増やすための時期だと思っていますから、コーチング理論で勉強する子はそれで良し。その子たちが今夏見ている中2中3の一部の子たちです。なかなか難しいのは、それを聞いた親御様がうちの子も参加させたい、というケースです。得てしてそういったご家庭のお子さまは普段の宿題や課題が充分ではありません。プラスアルファの補習に来る前に最低限度をこなしてください、となるわけで優先順位の問題です。もちろん、ウチの方針である「本当に勉強させる塾」はガチですから、家庭学習がおろそかな子たちには塾でやってもらうようにしています。1教科15分を目途にしている宿題(夏期はもう少し多いです)をできないのならしっかり塾でこなしてもらおうと思います。補習の時間も先生もいつでもスタンバイしています。

ただ一講師として、スポンジのように吸収する時期に全身全霊を傾けて指導したいという思いは新人講師時代より変わっておりません。例年若干名がその志を持っており愛情を注いでいるわけです。

「新入生補習」「未達補習」「上を目指す補習」様々な種類がありますが、全ての補習に深い思いを込めています。これを打っている間に体験授業のお話をいただきました。曰く「一度ハードな塾も体験しておいで」とのこと。授業自体は楽しく笑いの多いものです。他塾との違いは宿題や課題をきっちり確認していることです。先日も数学の宿題で時間をかけずに手抜きをしてきた子がいて「こんな手抜き宿題をしてくるなんて残念だ」ということを伝え親御様にもその旨を伝えました。正答率だけなら悪くなかったですが、わかる問題をさっとやって少し時間のかかりそうな問題を手抜きしてきたように感じたからです。

これを厳しいといわれるなら、そうなのでしょう。でも当たり前のことを当たり前に望み、信賞必罰にしているだけです。また、取ってもらいたい点数が個々にありそれに達しないと思えば補習があるわけです。

朝から数回に分けて打っているのでまとまりがなくなりました。駄文で申し訳ないですが、最もお伝えしたかったことを結びとします。

ウチの補習は愛情でできています。ずっと差し出しつけてきた手(補習)を払いのけ続けられると心が折れます。ただ、教えた分をありがたいと感じ、勉強を頑張るという姿勢で返してくれる子には無尽蔵に応援したくなります。

2014年8月13日水曜日

夏期講習会前半を振り返って

13日より休みが始まり18日から後半が始まり8月末日まで続きます。諸口浜校舎の小学生は19日以降平常時間帯の4時45分から6時15分に戻ります。

今年の夏休みは課題(英単語・漢字・計算)を増やしていたので管理が大変でした。台風で休講にするのかどうか悩みましたが現場サイドとしてはしたかったです。結果的にはしても問題なかったのですが、雨風の強い中で登下校してのリスクを考慮するとやむを得ない判断をしたと思うしかありません。今後もこのような展開では勇気を持って休講として、後日調整(補習)することになるでしょう。

ところで、小中学校の現場の先生方とお話をしていると「宿題をする子が少ない」と嘆いておられることが多いです。これは私も強く感じます。宿題に対する意識が以前とは明らかに変わってきています。「決められたことは守る」ということへの意識低下でしょう。また、宿題は決して多くなく1教科あたり15分程度が目安ですが、夏期講習中は時間があるので増やしています。週あたり時間数も増えていますので、負担は多いはずです。ただ、講習会中のほうが宿題忘れは間違いなく減ります。宿題に対する認識が強くなっているからでしょう。

それでも「課題」に対する意識は低い人の方が多いのが現状です。「この問題は次回も必ず出すから復習しておくように」という言い回しで伝わらない子が3割います。ウチの子たちで3割ですから世間一般の平均値なら7割超えになるでしょう。受験生ですら自主的な数学の補習に来た子は少なく、特進数学に至っては今福鶴見校からは女子3名の参加です。また復習英語理科の希望者を募っても意識の差は明確です。

殊に受験生においては耳にタコができるほど中2のころから言ってきましたが、9月以降になっても強制しないとできないお子様は伸びない(間に合わない)ので叱りません。中3の夏まではどれだけ手(補習)を振り払われても差し出し続けますが、その時期は終わりました。数学で勝負せずほかの教科で勝負するメリットデメリットも言い続けての選択ですから、数学担当としては寂しいですが
他教科での頑張りを期待しています。

中1中2は例年以上に課題に対する管理を徹底しています。結果、宿題忘れは皆無でテスト勉強不足者が全体の1割前後で、換言すると9割の子がそれなりに勉強しています。(注、当塾の「それなり」のレベルは高いです)これは満足すべき数値でしょうが、残りの1割も何とかしたい。でないとその1割の子の親御様に対する申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

さて、週明けからは後期試験ですが、明日は夜に出社しようかと思っています。教室開放できそうでしたらHPまたはツイッタ―、ラインで連絡します。

2014年7月14日月曜日

進路指導

今福鶴見の懇談会は終盤へと向かっています。今回は、諸口浜校舎は全員参加で今福鶴見校も欠席2名という高い参加率でお子さまへの愛情の深さを感じています。ところで、懇談会の折、当ブログをご覧いただき公立志向が強い塾だと書かれてあるというご指摘がありました。これは私の文章力の稚拙さからだと思われますが、強く否定いたします。進学説明会で申し上げたように進路先の50%が私立(専願)前期が40%後期が10%です。

私立・公立後期試験は延べ13年間のトータル不合格者数がそれぞれ1・若干名、前期試験でも競争率1.1倍で受験者総合格率は約97%なっております。これらのことから合格率が非常に高く、私立公立への進学比率がほぼ1:1の偏りのない進学指導をしているという自負があります。

ただ、私はこの数値がとても不満で積極的にアピールする気になれません。昨年度は私立公立前期後期全員合格を嬉しく思いアピールしましたが、今年度は公立前期で本命高校に行けなかった子が一人いました。関係者と会談するとその少なさを驚かれますが、チラシには何と書けましょう。数10人受けても一人しかだけしか…そんなこと絶対に思えませんし、言えません。その一人の子や親御様がチラシを見たらどう思うのか。それを考えると積極的にはアピールしようと思いません。他人の合格率が何%であったとしても「我が子」の結果が親には全て。期待を裏切ってしまった申し訳なさのほうが先にあります。

高校選びは大学と違い取り返しが効きません。一生を左右する大きな選択です。もちろん私立高校は公立高校よりも学費が高く、全員に気軽に薦めることはできません。ただ、事情が許すなら私立高校のほうが面倒見の良い学校が多いのは事実です。

2014年7月5日土曜日

勉強の仕方

過日は進学説明会に160名以上もの多数のご来場いただきありがとうございました。締めの足立からの話の繰り返しになりますが「従う(勉強のやり方)」を伝えるのは簡単なようで難しいです。

教科毎に勉強の仕方は存在しており、伝えるのは容易です。ただ、それだけでは家庭学習のやり方を伝えことにはなりません。まず、勉強の第一歩は「先生の教えをまねる」ことです。成績上位者はほぼ例外なくできています。ところが、中途半端な点数を取るお子さまほど早合点をして我流を貫こうとします。小学生の低学年であれば修正も早いですが、中学生にもなるとなかなか悪癖は抜けません。

この「まね(従う)」をできれば次のステップです。ここからが応用でもある「メモの取り方」「家庭学習の仕方」になります。「メモの取り方」は、説明を聞いて自分がわからなかったところ、書いておかなければ忘れてしまうであろう箇所を素早く書き留めることです。一般的なサラリーマンの大多数はメモを取る習慣があるでしょう。「メモの取り方」を教えてくださいと言われれば困ってしまいます。これは主観であり、自分にとって必要だと感じたことを書き留めるものだからです。そこまで手とり足とり教えることは個別でも無理でしょうし、するべきではないと思います。自覚が芽生えないからです。

そして次のステップが家庭学習です。メモを取る習慣が備わっていればメモを読み返せばできますが、メモを取る習慣がないと家庭学習と言われても何をすればよいのかわかりません。家庭学習の仕方は基礎であるメモを取ることができていないと「何をしたら良いのかわからない」となってしまいます。根幹は「従う(まねる)」ことができていないところにありますので、勉強の仕方がわからない、自宅学習で何をすればよいのかわからない、となってしまうのです。

つまり良い勉強の基本は「従う≒まねる」ところにあるわけですね。

2014年6月26日木曜日

大学で得たもの

 今春、無事に大阪市立大学経済学部を卒業しました。大学の仲間に恵まれた結果だと思います。1回生のころはかつて経験したことのない多大なストレスがあり、同時にストレスの向こう側も見えていました。

 最大のストレスは自分の脳の劣化です。優秀な大学生に混じり自分の暗記力と集中力の違いに歴然とさせられる日々でした。「うさぎと亀」に例えてよく話していましたが、亀(私)がうさぎ(同級生)についていこうと思うと数倍の努力ではどうにもなりません。それでも、負けず嫌いな私は人前で「わかりません」と言うことが何より恥ずかしく、無知をさらけださないために主に語学の予習をしていました。英会話教室を運営していますので、教材は手に入ります。購入教材の模範解答は持っていましたが、講義中に何を聞かれても大丈夫な予習をするのがキツかったです。そして、同級生たちは自分の労力の10分の1程度でも恥をかかないで済むレベルにあることが悶々とする原因でした。
 

 
 
 
 私は、ストレスを感じると頭から出る油の量が増えるのですぐにわかります。でもこのストレスの向こう側に見えものは「達成感」です。あのストレスは自分だから乗り越えられたというものですが、他人から見ればただの自己満足ですね。もう一度と言われたら躊躇しますが、今となっては良い思い出です。

 
 ところで、大学生と比べて殊に痛感したのが、文章を読む速度の大幅低下です。学生時代より国語が好きでしたし、ペーパーテストをしていても他人よりもスピードが遅いと感じたことはあまりなかったのですが、中学生を教えていて高校入試の問題に慣れ過ぎたのか、大学レベルの文章読解に要する時間が遅くなりました。今の子たちを見ていて「最近の子たちは文章を読めないな」と思っていたのがわが身にも降りかかるとは…大学生活でわかったのは、この年齢でも脳にストレスを与えて鍛えれば暗記速度は増すということです。脳育を導入しロジカルシンキングを昨年しましたが、試行錯誤しており、今注目しているのが速読です。早速、トライアルをしてみて自分の脳が改善されたらみんなにも進めようと思います笑




2014年6月18日水曜日

今福鶴見の進学塾OneSelf名物進路指導

 OneSelfの売りの一つである進路指導。これはかなり力を入れております。お預かりしているお子さまの将来を大きく左右するからです。今週は進学説明会に備えてできるだけ多くの高校を訪問し、HPやパンフでは伝わらない現場をしっかりと見て、校風を感じ授業前後などで伝えていきます。

 先日は大阪府における中高一貫のパイオニアである咲くやこの花中学高校を訪問し、寺本教頭先生、栗本総合学科長にお話を伺いました。開校当初のコンセプトでは勉強以外に力を入れ、就職につながる指導を謳い文句にされており、失礼ながら職業訓練校をイメージしていたので全く子どもたちの志望校の選択肢に入れておりませんでした。

 ところが、今年の6年一貫初の卒業生の進路には国公立大学、関関同立はズラリ。しかも入学時の偏差値は決して高くない。その理由を知りたく、アポを取ってお話を伺い結果に納得しました。このようなことは決してパンフやHPで得られる情報ではありません。オリジナルで作成している有名大学の出身高校一覧は全て手作業で入力しており、煩雑な作業です。また、今週はテスト対策期間に突入していますが、高校来訪や関係者とのコミュニケーションはピークを迎えております。

 高校の説明会では得られない現場の本音や授業風景は足を運ばないと手に入れられません。また、進路相談のジェネラリストを目指し、大学・短大・専門学校や就活最前線の情報収集は欠かしておりません。

 私は、志望校合格はただの通過点だと思っています。その先には大学や就職が控えており、その分岐点の度、自分の将来について真摯に向き合える人になってほしいです。社会に出て通用する大人にてなってほしいですし、何よりは他人に迷惑をかける人にだけはなってほしくない。子育てに模範解答がないのと同じで進路指導にも模範解答はありません。だから、進路指導の際には全ての人に「格別の思い」をもって伝えられるように接しています。