2024年8月18日日曜日

大阪府高校入試~前編~

 8月16日(金)に大阪府学校教育審議会が行われました。大阪府の今後の教育方針について、色々審議する機関で、教育委員会とは異なる独立した組織です。今回の審議会では大きく3点の公立高校入試選抜改革案が提言されました。

1.アドミッションポリシーを重視する(以後「AO」)入試選抜方法の模索

2.入試時期の早期化及び実施回数

3.複数受験

 順番に考察していきましょう。まずは1について。AO入試選抜は大学で広く導入されています。現在、公立高校では入試順位90%~110%の受験生に対し、高校がAOによる独自基準で合格者を選抜できる仕組みがあります。例えば、募集人数が300人の高校に330人の応募があったとします。点数が330番目でも「自己申告書」の内容が自校のAOに非常に似つかわしい場合に一発逆転で合格になる方法です。実態として、文理学科では400名~500名超えの受験者でAOによる逆転合格は1年に1人いるかどうかの究極の狭き門です。ただ、一部の総合学科のように1割前後をAOで合格させる学校もあります。元来、普通科と異なり、特色のある総合学科ではアドミッションポリシーが独特のため、選抜しやすいという背景があります。大半の高校で有名無実化し、受験者の負担が重い自己申告書を全員に強制させるのをやめ、AO選抜志願者のみ書かせるということです。また、受験方法自体を高校に一任し、大学の公募推薦のように各高校独自の入試方法で受験できるようになるということです。

 2「入試時期の早期化」について。令和7年度の大阪府高校入試スケジュールは次の通りです。

2月10日私立高校

2月20.21日公立特別選抜

3月12日一般入試選抜

現行の 公立入試は一般的に「特別選抜」「一般」の2回受験する機会があります。そこに含まないものとして大阪公立大学工業高等専門学校(通称「高専」)と公立高校2次試験がありますが、こちらの詳細を知りたいかたは直接ご連絡ください。特別選抜と一般選抜を一本化、つまり2月下旬に行うということです。

3「複数受験について」上記により受験機会が減少するので、受験生の機会損失にならないよう第二希望まで出願できるシステムです。現在は東高校の理数科・普通科に出願すると理数科の合格最低点に到達していなくても普通科の合格最低点に達していれば普通科生として「廻し合格」と似ています。大阪の私立高校では広く導入されているシステムですね。これを公立高校では異なる学校への「廻し合格」できるシステムです。例えば第一希望を北野高校、第二希望を大手前高校にした場合、北野高校の合格最低点に不達でも大手前高校の合格最低点に達していれば大手前高校合格できるということです。1度の入試で2校受験できる利点があります。

 以上が、現在の中2から改革を予定している内容になります。AO入試導入が寝耳に水の内容で、今後注視して各高校の情報収集に努めます。AO選抜では高校毎に教科・実技有無・自己申告書比重を自由裁量で決定できるので、初年度の対応は極めて難しいものになるでしょう。また、大阪府私立中高連合会は私立入試時期の早期化の検討を宣言しました。私立・公立の競争を避けるために早期化をしない方向、という前言が撤回されたようです。予想では、私立入試が1月25日頃、公立AO入試は高専方式で1月下旬実施、公立一本化入試が2月20日頃です。予想なので、外れても恨まないでください(笑)。現中2からの実施になると、決定後、早急な対応が必要です。「廻し合格」は便利ですが、策略が必要ですね。確実に公立高校に合格したいならば、第二希望の高校は少し下のレベルにする必要があります。一か八かなら、よく似たレベルの学校を選択するでしょう。天王寺と大手前などですね。

 ただ、小回りの利く個人塾なのでワンセは有利な状況です。また、入試時期の早期化は、私にとってどうでも良いことです。日程が決定すれば、そこにピークを持っていく調整をするだけです。大手塾にとっては3月の公立対策が2月の私立対策ができなくなり大幅減収になるので、猛反対していますが、そんな民間意見など全く耳を傾けることはない機関にたかが民間企業は意見できません。私の興味は入試問題の難易度です。現在のABC問題になり10年が経とうとする中、C問題の対策が確立できたものが白紙になります。ちなみに、かつて前期試験で国語の小論文が課された元年は、横書き・縦書き文字数・時間などあらゆるバージョンを練習して量で勝負しました。初物が出題されるならば、多種多様な情報があり、対応できる余地のあるワンセは有利です。情報量は絶対的な自信があります。

後編では主観に満ちた内容をアップする予定です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/98bac3f6dd888f721f6c915412b71eaac3961208?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20240816&ctg=loc&bt=tw_up

2024年7月30日火曜日

7/29の出来事

 昼から中3数学の先週行われた出来た者帰りを5回中1回も合格できなかった人がendless再テスト。この日は因数分解特集でした。少し応用問題で、高校生になって一番最初に習う単元でもあります。毎年、秋冬になっても正答率の低い子は低いままの単元で、今年は一念発起して全員に出来るようにしたいと考えています。国公立大学も医療系・理系・経済学部が多く、文系のほうが少ないワンセ生。中学生のときに理系センスを感じた子は1割程度です。センスを磨けるかどうかは、いまから卒業までの向き合い方で決まります。

 そんな今日は公立前期理数科数学にチャレンジ。当時、天王寺・大手前に存在していた偏差値70オーバーで北野高校よりも格上の学科でした。トップは緑SHで緑SK、ISが続きました。良い感じで数学が見え始めてきた2人に続き、点数以上に期待値のある緑YH。中学生時代には花が開かなくても、同じ努力を継続すれば高校生で大きく飛躍できるでしょう。

中1国語は係り結びの法則をしました。宿題・課題の不徹底が課題のクラスで、2年ぶりにペナルティ制度を復活。本当はネガティブではなくボジティブに勉強して欲しいのです。ただ、自分に甘い子を優しい言葉で引っ張っていく方法を知りません。巷で褒めて伸ばす、という話をよく聞きますが、大半の子は褒められると、勉強しなくなります。夏期講習が1クール目が終わり、及第点は菫MHぐらいでしょうか。全く勉強してこない子はいませんが、言われたことの8~9割程度する子が多いです。これが人によっては6割程度になり、この数値を全員10割にするのが当面の目標です。

2024年7月29日月曜日

最近の出来事

 夏期講習会に入り、暑さが尋常ではありません。そんな中、五ツ木模試速報版が届きました。緑中の学年上位60%がワンセの子たちでした。5位以内も10位以内も60%です。全く、満足のいく点数ではありませんでしたが、うちの子たちは今からきっちり仕上げにかかります。もし、2月に五ツ木模試を受けたら全員7月より偏差値10程度は上がっていると思います。それほど冬の成長は著しいです。令和6年度の公立高校の平均点との乖離は数学理科が非常に良かったです。数学はB問題が平均51.8点に対しワンセ生平均72点、数学C問題は50.8点に対し同84点でした。理科は全体平均51.8点に対して71.7点という好結果。文理学科受験者平均は364点なので全員北野高校に合格できた数値です。ちなみに2年連続で北野受験していても全員合格だったと思われます。高1は、中2の時期まで文理学科に合格できるような位置にいる子は1人もいませんでした。夏から急成長しました。私立に行った子も私立トップレベルクラスの学校で一番になっているらしく、晩成型の先輩でした。

 さて、中学生は数学の出来た者帰りと英語の塾リンピック(英単語テスト)を頑張っている日々です。中1では菫コンビのMH、YA、緑KSが2連続満点中。中3は実力問題から始まることもありますが、2連続満点なしという寂しい結果です。

 そんな中学生は(小学生も)7月末までに学校の宿題を終わらせるのが優先事項です。21日28日は日曜日ですが、自習室を開放していました。中1は、半数ぐらいが参加。中2中3は一部が参加でした。

 中3数学は三平方の定理が終わり、いよいよ受験問題演習に突入です。初回は関大北陽の過去問演習をしました。トップは緑ISで鯰江MKが続きました。文理学科希望者は、過去の文理学科受験者最低点を大幅に更新しているので、これからしっかりと追い上げていかないといけません。また、計算ミスが目立ち、点数を取らなければいけにところで取りきれていないことも気掛かりです。

 国語は全学年古典の導入。しばらく古典・文法をして余裕があれば長文読解にチャレンジしようかと思っています。歴史的仮名遣いからしましたが、「あ段(母音が’あ’)」「あ行(あいうえお)」の違いを知らない人が年々増えています。中途半端な英語教育をするなら国語に力を入れれば良いのにと思います。ちなみに文科省は「国語力・読解力の養成」に力を入れて授業時間以外で新たな試みをしています。そんな時間を取るより、国語の授業に力を入れるだけでもっと国語力は養えるのに、正に本末転倒です。

2024年7月25日木曜日

chatGPT

 毎年恒例の「関西教育ICT展」に行って来ました。流行りはchatGPTです。同業者は「何て便利なんだ」と言っていますが、私は導入の意志が全くありません。教壇に立つ限り、毎日毎時間子どもたちと直接やりとりし、多種多様な生きたデータを入手しています。それをその場でフィードバックできる環境にあるわけです、

 熟練された職人さんが作った一点物に工場製品が敵うわけありません。私にchatGPTを勧めるのはバット職人の匠に「うちの工場のバットを使って(売って)ください。」と同義です。日々、精進している職人さんにAIは一生勝てないのです。AIにデータを与える立場でい続けないといけないのです。

 そんな覚悟で教壇に立っていますが、私以外はAIに頼って楽をしたいと考える人が大半でしょう。AIでも素人には勝てますから。常に情報のアップデートをしている職人にAIが勝つことはあってはいけないことです。残念なことに、そんな職人さん魂を持っている人は学校にしろ塾にしろ天然記念レベルで少ないです。

2024年7月24日水曜日

夏の夜の夢

 たまにはネタの比較的最近見た夢の内容3連発です。面白く、起きても忘れないほどのインパクトがあったものです。

「野球編」…巨人の選手の一員としてレフトまたはショートを守り4番を打っている場面です。なぜか甲子園のほうが東京ドームよりも(夢の中の)出場回数が多いです。ちなみにイチロー氏と共にWBCに出場したバージョンも見ています。

「MC編」…これは初めて見たパターンで、司会を務めていて、隣に明石家さんまさんが控えているという豪華な(?)夢でした。私は、先生はMCみたいなものだと思っています。下手くそなMCは、ひな壇の芸人の中で出番がほとんどなく終わる人を作ります。授業も同じでへったくそな先生は生徒を一度も指名しないどころか、見もせずに終わります。8割以上の高校の先生がそうです。一番マシな高校が常翔啓光で2番手候補は劣化しても大阪国際です。話が逸れました。

「橋下徹編」…橋下氏が我が家にやって来て飲んでいました。ちなみにチューハイ2口でトイレ直行していました。リアルの橋下氏は新地で鍛えられているので私の10倍は飲めると思います。日本や大阪の教育について談義していました。

2024年7月23日火曜日

良い高校

 今春は高校訪問及び塾対象説明会にほとんど参加していませんでした。時節柄、高校のテストが終わったこともあり、新年度について来られる先生方が多かったです。秋には恒例の高校レポートをする予定ですが、「良い学校」について私見を述べたいと思います。

 公立高校は、基本的に公立中学校と同じで勉強面では期待できません。たとえ文理学科でも、高2の夏から塾・予備校に行かないと現役での国立大学は厳しくなります。ちなみに毎年100名程度は浪人してるのが現状です。一般的に高校生活を満喫しているので、学校として勉強する雰囲気ではありません。そんな中で、自分だけがりがり勉強するには精神力が必要です。

 私立高校無償化が一気に有名になりましたが、授業料が無償化されてもその他の費用で私立高校には3年間で100万円以上の費用がかかり、多いところでは200万円以上必要になります。また、授業にしても上手な先生が多いわけではなく当たり外れが大きいです。しかも、当たりの先生がいない高校もたくさんあります。

 ちなみに私は、高校を大きく3つに分類しています。「お勧めできる高校」「行っても後悔しない高校」「行ってはいけない高校」です。割合は2:4:4ぐらいでしょうか。最近、高校の先生と話したなかで「お勧めの高校の基準は何ですか」と聞かれました。即答で「私が自分の子どもだったら行かせたい高校です」と言いました。男女別や偏差値ではなく、預けたくなる高校がお勧めできる高校です。

 私は、15年ぐらい前から旧大阪国際大和田を推し高校にしていました。高校レポートの教授力5は当時の大和田高校が基準です。こんな授業をしている高校があるなら塾・予備校は要らないと感嘆したほどです。どんな進学校でも当時の大阪国際大和田の足元にも及びません。大手前理数科にレベルの子をお任せし「予備校なしで勉強しろと言わなければ京都大学に行ける子です」と申し送りをし、京大に行けました。

 現在、京大・阪大・神大・大阪公立大に予備校なしで行ける学校はありません。どこの高校も教授力が下がり、高校にお任せで大丈夫なところはなくなったからです。では、高校の力だけで現役で上記の大学に行き易い高校はどこかとなると、消去法で大阪国際が残ります。近畿大学付属高校のスーパー文理や桃山のスーパーも予備校依存度が高いからです。現役合格率は上記3校の各最上位学科が北野高校よりも上です。

 次に、国公立大学への現役進学になるとお勧めできる高校の選択肢が増えます。常翔啓光の特進Ⅰ、興国のプレミアムアドバンス、常翔のスーパーです。ここに好文学園女子の特進のシステムが加われば良い感じになります。

 エスカレータで良いのは関大北陽・近畿大学付属の2校です。指定校推薦の枠の多さでは上宮プレップ、大阪国際、大阪信愛、城南などで、早稲田大阪はあの偏差値で早稲田大学に行けるとは超バーゲンです。

 そして、意外と少ないのが、なかで面倒見がよく、関関同立に導いてくれる高校です。これは大阪産業大学高校一択です。たいていの私立高校は偏差値50程度で行けるわけがないのに国公立大学を目指すといいます。そんな高校は信用に値しません。同様に偏差値40少しで関関同立も厳しいです。現実的な目標を立て、しっかり導いてくれるのは大産大高校ぐらいです。

 私は、隠匿体質のある高校は無条件にお勧めしません。いじめがあっても加害者をかばったり、学校の体裁を気にするところです。今回は、固有名詞は避けますが、来訪されたら良い情報も悪い情報も子どもたちには伝えていきます。全くどこにも忖度しません。親視線で行かせたくない学校は例え100万円の鞄を接待で受け取っても「お勧めしない高校」に変わりありません。



2024年7月20日土曜日

演習ノート

 数年前から宿題よりも重視しているのが演習ノート。演習ノートとは間違い直し(なぜ間違えたのか、二度と間違えない自分へのメモ必須)+類題演習です。宿題を出来るだけ減らし、確認テストと間違い直しの徹底を図っています。最悪な演習ノートは間違えた問題の答えだけ写したもの。記号でAだけ書いても賢くなりません。最初はそんなことをする子もいました。歴代の先輩の演習ノートを参考にしてもらい、ようやく自分にとって役立つノートを作れるようになります。耳にたこができるほどつたえていることが「勉強とは知らなかったことを知ることや、理解できなったことをすることであり、宿題や問題を解くだけでは勉強時間ではない」ということです。300本以上の過去問を解きますが、解いてからが勉強の始まりです。自分の苦手分野を知り、優先順位をつけてすべき勉強をすることが重要です。

 それがワンセ卒業後の主体的な勉強ができる下準備なのです。演習ノートはそのための重要なもの。主体性など、普通の小中学生にあるわけありません。主体性のつけかたを指導するところから始めています。演習ノートや各種問題集のチェックはかなり細かくしています。大人の本気を子どもは試しますので、甘えの余地はありません。

 演習ノートは自宅でも塾でもどこでやってもいいですが、手抜きは見逃さないです。自学自習の第一歩として、かなり手間はかかりますが定着させたいことの一つです。