2025年9月16日火曜日

秋の高校訪問②~近畿大附属高校

 少し開きましたが、附属シリーズで近畿大学附属高校に行って来ました。近附・近高等人によって呼ばれ方が異なる高校です。平成を経て、令和になり別学時代から今までウオッチングしてきた私としては、一言では表せない程、思い入れのある学校です。では、早速レポート。校風3.5、教授力3.5、授業態度3、お勧め度4。近畿大学の附属で希望者はほぼ全員がある点が最強メリット。授業態度は文理・進学・推薦組でかなり異なります。

 10年ぐらい前に先生のモチベーションの低下と共に小さな乱れがあり、当時の校長に嘆きました。コロナ禍頃から先生方の授業へのモチベーションが年々上昇しています。高給と、解雇の心配がないことから「有名な高校」での授業の質が低下しているところが多い中で驚きです。かなり恵まれた授業だけすれば良い関一や清風・四天王寺・信愛といった授業を疎かにする学校が本当に多いです。数年前まで授業の質に全く期待していなかっただけに、次のステップの期待を込めて「国公立大学合格へ向けて更なる教材研究」に臨んでいただければ大阪・奈良・和歌山で天下を取れる可能性もあります。

2025年9月14日日曜日

高校の選び方②

 大阪府は私立高校無償化が所得制限なしになっています。では、本当に無料で私立高3年間通えるのでしょうか。答えは否です。授業料の大半が無償化されるだけで入学金や修学旅行費等のその他費用はもちろん発生します。公立高校では3年間約30万円、私立高校では約125万円必要です。やはり私立高校のほうが3年間で約100万円高い学費が必要です。まずは大切なお金の価値観についてだけは保護者主導で決めてください。私立か公立の選択になった場合、私立高校のメリットについての価値観です。

①エスカレーター式→関大北陽・近畿大学附属

②勉強ガリガリ→常翔啓光・大阪国際α・開明(?)

③指定校推薦等の多さ(対象学科生徒比率)→大阪女学院・早稲田大阪・大阪国際・信愛

④子どもの意思に任せる

※学校名はいずれもワンセの住所基準なので、1時間以上かかるところは除外

 ちなみに、私が最も無頓着なのが施設・設備と制服です。これはネットで簡単に調べられるのでご家庭の主観にお任せします。では、公立高校、例えば文理学科別で大きな違いがあるとかというと、校風の違いはあれど、全校共通で予備校・塾が必要です。塾なしで北野・大手前に合格レベル素地があれば大学受験も大丈夫です。

 では行っていけない高校をワースト順に並べます

①いじめや校内で問題が起こったとき、自浄能力がない・加害者の味方をする→東大阪敬愛・大阪夕陽丘学園(私立)太成学院大学高校

②有名無実・羊頭狗肉で大学進学に導けない費用だけ高い私立→清風6か年編入以外・大阪桐蔭Ⅰ類・四天王寺(校風は良いので公立同様、予備校に頼るなら人脈形成には良い)

③授業が動物園化しており、成り立っていない高校→多数

ワンセでは9月下旬が私立高校を2.3校に絞る時期に指定しています。11月下旬までに私立は完全に確定し、その後公立受験予定者は順次決定していく流れです。

2025年9月12日金曜日

卒業生

 今週は卒業生の顔をよく見ました。社会人になって普通に働いている子·大学生になって、すっかり落ちついている子·少し落ち着いた高校生etc…あれ?何だか問題のあったような子たちばかりですね。というより、心配ばかりしていた子たちです。そんな彼らが笑顔で過ごしているのは非常に嬉しいです。

 この仕事を初めて、一つの目標が「卒業から10年後、笑顔で日々過ごしていること」です。思春期である中学生時代をワンセで過ごし、沢山の思い出が残っています。誰にも迷惑かけずに普通に働いて楽しく過ごせているなら何も言うことはありません。結婚報告も出産報告も多い年です。良い年齢を重ねているようで頬が緩みます。リアルに緩んできた自分の頬と大人になっていく彼ら。私にとっては非常に良い刺激です。

2025年9月3日水曜日

秋の高校訪問①~関大北陽高校~

 今年もこの季節になりました。恒例の秋の高校訪問です。第一弾は、人気高騰中の関大北陽高校へ行って来ました。では早速レポート。校風3.5、授業態度3、教授力2、お勧め度4。すれ違う度に爽やかな挨拶が心地良かったのですが、今年はあまりありませんでした。たまたまかもしれませんが、一番残念だったポイントです。校風・授業態度・教授力の数値をカバーするのが圧倒的な「希望者の9割が関大進学」していること。関北希望者の保護者の方には真剣に勉強するのはワンセで最後になるかもしれません、と伝えています。勉強をしっかりして大学に行きたい層が減り、そこそこ頑張って関関同立に行ければいい、という層が増えてきたのでしょう。近高に良くも悪くも近づいてきたように感じます。それでも推しレベルはトップクラスです。

2025年8月29日金曜日

α世代①

 z世代の次で2010年序盤以降に生まれた子たちを指します。明確な区切りはありませんが、現在の中学生は概ねα世代になります。コロナ禍を多感な時期に過ごした世代で、健康第一を最優先に過ごしてきました。同時に文科省が「多様性を尊重する」という方針を打ち出し、過去最高の不登校を輩出しておきながら、教員には不登校児童への個別の配慮をして現場を乱している真っ最中です。

 α世代の特徴はz世代よりもはるかに自己肯定感と自己評価が高いことです。そして、自分が傷つくことや損得勘定に敏感な反面、何かを指摘されることに対して免疫が弱すぎる傾向があります。自分が傷つかないための表面上の優しさはあります。そんな 彼らの、今後の理論と世間について考察してみます。

 X年後。まず最低賃金に対する認識の大きな隔たり。

α世代「バイトは最低賃金だから、労働時間の範囲で言われたことをすれば良い。優先順位は下。友人と遊びたければドタキャン、時間短縮は労働者の権利。でもお金は欲しいから、楽な日にシフトを入れる。代わりを探すのは社員の仕事だから、自己都合優先」

企業「最低限度とは契約内容を遂行すること。遅刻・ドタキャンは契約違反。決められた契約内容である時間と労働内容を全うするのが最低限度。ミスが多いのは研修期間を終えているなら会社・労働者のどちらかに問題があり、現状維持はなく対処が必要」

 バブル世代からの超就職氷河期、リーマン・現在の就職バブルを見てきた者の感想は、氷河期も、就職バブルも永遠ではないということです。現在は就職バブルで超売り手市場です。そんな中、上記のような思考のα世代はババ扱いで社員になれずフリーターの可能性が高くなります。そして、海外から労働意欲の高い人材が日本経済を支えるようになるでしょう。労働格差(賃金格差)拡大の一途で年収1000万以上の割合が高くなる反面、400万円台以下の割合も増えます。

 一億総中流の高度経済成長時代から賃金格差が広がる中、現在の終身雇用崩壊が加速度的に進み、欧米のように「クビ」が宣告される時代になっていき、就職できる人、出来ない人の格差が出来るようになり、今と同じ生活は出来ないようになる、そんな未来になりそうな気がします。

2025年8月26日火曜日

最近の出来事

 下書きを何度も推敲しつつ、ネタとして自粛している間に2週間空いてしまいました。お盆前にスタッフ全員でタコパ兼ミーティング。お題は一つ「宿題を(段階的に)廃止して演習ノートに一本化することのデメリットについて」でした。かねてより、全員共通の宿題を出すことへの非効率性について疑問を抱きつつ変えていませんでした。全てを演習ノートに変えるのは難しいですが、一部は演習ノート化していきます。あ、大手塾や個別では絶対にワンセのクオリティでやらせることはできません。大手塾は未熟な講師の力量不足がバレないために大量の宿題を出して、成績が上がらない言い訳として「生徒が宿題をしてこないから」と言える環境創りです。マニュアルを作成していた本人が言うのだから間違いありません。また、演習ノートはどれだけでも手抜きでき、中1の初期は間違えた問題と答えを写して終了、と言う子も珍しくありません。それを根気強く見て、指導することによって少しずつ改善されていくのです。今の中3は非常に良い演習ノートを書いており、それがこの時期なのに入試過去問の点数の高さに反映されています。また、勉強のやり方(引き出しが少ない)を知らない大学生講師が個別で時間外に手間暇・愛情をかけて見れるわけありません。ワンセの好成績は「授業の質」「自習室の時間・質」「演習ノート」に集約されています。

 そんな演習ノートが完璧な受験生は、理系脳より文系タイプが多いです。そんなこともあって過去最高点を塗り替える子はいませんが、ワーストにもならず関北・近高・大阪国際(大和田)の過去問ではほぼ毎回全員が合格最低点をクリアしている感じです。クラス平均だと歴代最高かもしれません。数学が得意ではないけれど、ミスが少ないという良い状況。そこに今津YIや緑INが出来ることを少しずつ増やしています。鯰江KYはミスが少ないのでコンスタントに悪くない点数です。茨田TTや茨田北MO、緑UMもトップになったことがあり、高レベルではないものの、数学で足を引っ張らず、助けてくれる教科になれる程度にはなっています。これから半年で理系選択しても苦労しないセンスをしっかり養って将来の選択肢を増やそうと思います。

 中2は安定の菫MHに加え、数学・国語で緑HRMが良いセンスを見せ始めています。ここに緑KMが語学系では良いリアクションをします。切磋琢磨して公立C問題に対応できそうなところまで成長している姿を見せてくれています。中1から多くの課題があったクラスですが、彼らなりの成長があります。まだまだ途上中ですが。

 中1は出来た者帰りで全員が一発合格。ようやく基礎の徹底が身に付き始めてきたようです。夏期講習前は計算のルールが不確かでした。出来た者帰りをすると「早く帰りたい」「他の日に呼ばれたくない」という必死さで集中力がぐんと上がります。特に社会は、当日に授業プリントの配布せず、話を聞いていなければ答えられないようにすると効果てきめんです。

長くなりそうなので続きは明日…

2025年8月12日火曜日

全国学力テスト 学力低下が顕著

 今春実施された「全国学力テスト(学テ)」において中学生数学以外、平均点の低下が顕著です。現場でやっていてコロナ禍以降の学力低下を嘆いていたのが数値として顕れたのでしょう。中学生数学のみ点数があまり変わらなかった理由も明白です。数学に対し、英語は単語の暗記・文法の理解をサボる子が急増、国語力の低下はSNSによる短文投稿の悪影響です。句読点・接続詞を考えず、自分の思ったことだけを答える機会増加による脳を使わなくなったことに起因しています。数学が下がらなかったのは頭のみをその場限りで使う教科だからです。

 文科省の「学校に行くのは権利であり、行かないのは自由。ただし、現場は多様性を尊重し十分なケアをすること」「宿題をしないことは評定に影響させない」等々勉強しないこと、不登校を推奨するような施策のツケです。今更、と言うのが正直な感想です。同時に、近年子どもに対して非常に甘やかしが過ぎているのではないかと思う機会が多いです。例えば、菫中は長年市内でも有数の素晴らしい中学校でした。ところが、民間校長が色々乱して行ってあっという間に学力も大幅に低下し、生徒のモラルマナーは悪化の一途です(今は小康状態)。

 子どもが勉強への姿勢を崩すのは一瞬だということです。私は、小中学生時代は基礎の確立が肝要だと思っています。基礎も何もできていない子どもに選択権を与え、子どもがやりたくないと言えば我慢をさせないツケでしょう。